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ななつむぎ

こんにちは。好きな漫画主に狼陛下の花嫁、帝の至宝、コレットは死ぬことにしたの感想や妄想を気ままに綴っております。

蜜月夜に兎のKiss1

Category蜜月夜に兎のKiss
こんばんはー(*´▽`*)

まだお話をどう進めようかまとまってませんが
プロローグ書き始めてます。

書き出しはいつも
「ちゃんと話書けるかなー?」
「途中で行き詰ってボツになるかも…」
とか不安たらたらです💦(;'∀')

一応上手く話が続けば数話サンプルとして、続きは次のオフ本用に書下ろしするつもりでおります。
タイトルもねー、(仮)で。(;´∀`)
いいのが思いつかなかったので…。(=_=)

では続くかどうかまだわかりませんが(←あくまで弱気)
宜しければお暇つぶしに どぞー








*********************









「――おかしい」


夜更け――国王専用執務室。

静かな室内に突如ぽつんと投げ掛けられた言葉に、国王付きの側近李順は書類整理する手を止め顔を上げた。

「何か仰られましたか、陛下?」
「おかしい、と言ったのだ」
「申し訳ございません、書類に不備がございましたか?」
「そうではない。―――李順、確認しておくが…私が夕鈴を正式な妃として娶ってどの位になる?」
「どの位と申されましてもつい先月のことですが」

李順が素っ気なく答えると、彼の主君たる白陽国国王珀黎翔は筆を止め大仰に溜息を吐く。

「そう、妃を迎えてまだわずか一月足らずの、絶賛新婚中である筈のこの私が、何故連日一人夜更けにこんな書類に埋もれてなければならないのだ?おかしいとは思わんか? 」
「…と、仰られましても」
「普通少しは気を使うだろう」

またか、と内心辟易しつつ李順は主を宥める。

「世間的には後宮に一妃が出戻っただけの話で、これまでとなんら変わりはないのですから、仕事量も当然ながら変わりはございません」

淡々と事実を述べる李順に対し、黎翔は途端に筆を投げ出し小犬の様相で肩を丸めいじけ出す。

「え~、だけどさー昼は兎も角夜は配慮してよー。お嫁さん一人で寂しい思いさせてたら可哀想じゃない」
「そんな御心配は無用です。寂しがる暇もないくらい宿題を与えておりますから。――さ、早く仕事片付けないと益々遅くなるだけですよ!」
「……お前と話してても埒が明かないな」



――黎翔が文句を零したくなるのも仕方ない。

日々政務は山積し、やってもやっても書類は減らないし、のみならず国内外の事にも常に目を光らせておかねばならない。
寧ろ最近仕事量が増えて来てる気さえする。
これではイチャつくゆとりも取れやしない。
国王としての責務にだけ時間を割いていた頃とは違い、今は妻帯者なのだ。
愛する妃が待っていると思うと少しでも早く後宮に戻って側にいてやりたい。もっとゆっくり触れ合う時間が欲しい。
李順がどっさり宿題を課すから彼女が根詰め過ぎてやしないか心配だし、…本音を言うと『勉強なんてどうでもいいからもっと僕のことだけ見て欲しい』とも思う。

「……」

…と思ってるのはもしかして僕の方だけ、って事はないよな?
頬杖付いていた黎翔に一瞬不安が過る。

実際、李順が言った通り夕鈴は寂しがるどころか日夜勉学に意欲的に励んでおり、氾の娘と仲良くお茶したりと、僕が居なくてもそれなりに充実ライフを送ってるような…。
いやいやいや、きっと寂しいのを隠して健気に振る舞ってるだけ!
「そうに決まってる!そうだろう李順?!」
「…は?何のお話で…」
勝手に話を振っておいて、李順の問い掛けにはスルーし黎翔は深々と溜息を吐く。
「兎に角新婚なんだからさー、普通はもっとこう、夫婦仲を深めて?濃密な甘い時間を過ごすものだろう?」

(…私の発言は完全スルーですか、そうですか)

しかし今更そんな事で動じる彼ではない。
愚痴を聞いてても埒が明かないと呆れ顔で眼鏡を押し上げ、李順は再び書類を取り上げ、しれっと話を切り替える。

「―――そう言えば陛下、長沙における協定の件で黄葉国側から書状がきております」
「ああ、もうそんな時期か」
「国境線守備の見直しも含め一度視察が必要かとは思いますが、今回も例年通り名代の高官を派遣しますか?」
「そうだな…」


――隣国黄葉国との国境添いに、交易商の集う長沙という町がある。

交通の要所としてかつては両国間でその町を巡り小競り合いが絶えなかったが、先々代に協定を結び利益を共有することで現状和平が保たれている。
毎年冬本番が来る前にその年の作物収穫量の報告と協定の確認を兼ねて、両国から使者が遣わされ協議が設けられているのだ。

「長沙か、懐かしいな」

長沙の町は黎翔が即位前――辺境軍を率いていた頃に滞在した事がある場所だ。
町の規模は小さいが、周囲には透明度の高い綺麗な湖や落葉樹の森が広がり、この時期には得も言われぬ美しい錦の紅葉風景が映し出される。
あの情景をいつか夕鈴にも見せてやりたい、きっと喜ぶだろうな…と何気なしに思い浮かべ――ふと脳裏にある考えが浮かんだ。


「―――そうか、その手があったか」

頬杖付いていた顔を上げ誰にともなく独り言を呟くと、くるっと李順に目を向ける。
「李順!」
「……何でしょうか、陛下」
李順は怪訝に眉を潜め、恐る恐る返事をした。

そのイイ笑顔、急に楽し気なトーンの声、このパターンは大抵無茶な要求をカマしてくる前兆だ。嫌な予感しかしない!

「直ぐに私のスケジュール調整をしろ。今年の長沙の協議へは私が出向く」
「…は?!」
予想通り無茶なこと言い出したー!と李順は顔を強張らせる。
「前々から一度国境砦の守備の視察もしたいと思っていたし、丁度いい。あ、ついでに夕鈴も一緒に連れて行くから」
「…はああ?!」
予想以上に無茶なこと言い出したー!と李順は開いた口が塞がらない。
「だって新婚のお嫁さんひとり暫く置いてきぼりは可哀想でしょ。あっ、別に新婚旅行とかそんな事全然思って無いからね!」

こちらがツッコむ前に自ら牽制したつもりだろうが、もう明らかにそっちが目的100%としか思えない!

「…いきなり何無茶な事言い出すんですか、貴方は?」
思いの外冷静な声でツッコんでやる。人間余りに呆れ果てると、逆に冷静になるものだ。
「そうと決まったら早速準備しないと!夕鈴吃驚するだろうなー♪」

…彼の中では既にそれは決定事項らしい。

ウキウキ、ルンルン浮かれている彼の頭の中は既に新婚旅行の事しか頭に無い様子。こっちの制止などまるで聞く耳もない。
確かに夕鈴殿が本物の妃となってからおよそ一月、相変わらずみっちりぎっちり仕事三昧の日々で、そろそろ不満を言い出す頃だろうとは思っていた。…いたが――久々にとんだムチャブリが来たものだ。

諸々の義憤を胸中で呑み込み、李順ははーっと深い溜息と共に額を手で押さえる。

「……」
ここで陛下と議論を戦わせても押し切られるのは目に見えている。
寧ろ長引かせると更に無茶な要求を言い出しかねない。時間と労力の無駄使いだ。
ならばさっさと折り合いをつけ、話を前に進めた方がはるかに建設的。
取りあえず目の前の書類を早く何とかして貰いたい…。

李順はそこまでを黙考し、早く後宮へ帰りたくてうずうずしている陛下に、釘を指す。

「せめて今夜の書類は全て片付けてからに願います。…分かりました、なんとかスケジュール調整いたしましょう。ですがあくまで公務ですからね!お妃様の同行はついで!仕事はキッチリ行ってもらいますよっ、くれぐれも自重なさって下さいよ、いいですね?!」

――彼なりの最大限の譲歩でもって、
鬼の形相で一気にまくしたてるが、黎翔はなんら堪えずウキウキと耳と尻尾をパタつかせている。

「分かってるって。仕事はちゃんとするからさー」
そう言うなり、早く仕事を片付け妃の元へ行きたい一心でこれまでのスピードとは打って変わって、黎翔が机上の書類をサクサク捌き出す。

(やればできる癖に…)
内心舌打ちしつつ、李順はぼやく。


さっきまでぐだぐだ愚痴零していた人と同一人物とは思えない迅速さで、あっという間に残務を全て片付け終わると黎翔は意気揚々と席を立つ。
「じゃ全部終わったから後よろしくー」
両手で決裁済みの書簡を抱えている側近を残し、上機嫌で妃の待つ後宮へと帰って行く。

「……~っ」
――部屋に取り残された李順の、歯ぎしりがギリギリと静かな執務室に木霊する。




(つづく)





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12 Comments

タイフーンです(≧∇≦)  

ななさんのお話UP〜!
これなら夜中目が覚めるのも大歓迎♡

*・゜゚・*:.。..。.:*・'しんこんりょこう*:.。. .。.:*・゜゚・*
ムチャぶり楽しみ〜!

李順さんの胃を心配していましたが、歯のすり減りの方がヤバ目でしょうか( ̄◇ ̄;)

2015/10/18 (Sun) 01:45 | REPLY |   

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2015/10/18 (Sun) 07:40 | REPLY |   

みく  

新婚旅行~!萌えますね~!Rにならない訳がないですね!でも、不憫な陛下になるのでしょうか(笑)
秋の気配を感じるこの時期、ななさんか以前描いてた黄昏散歩のイラストも好きです。

2015/10/18 (Sun) 13:00 | REPLY |   

のっぺ  

こんにちは(o^O^o)

陛下のムチャに付き合わされる李順さん、可哀想だけど面白いです!李順さん、お体をお大事に(^o^;)なんか、国のトップより側近の方が大変なんじゃないかと、最近思います(笑)

新婚旅行、陛下の期待通りの甘ーい時間になるでしょうか(・ω・)なな様次第ですけど、現実は甘くないですよね(* ̄∇ ̄*)続き楽しみにしてます♪

2015/10/19 (Mon) 15:07 | EDIT | REPLY |   

RON  

こんにちは~(*゚▽゚)ノ

お久しぶりです~|ω・)コソッ

新婚旅行…♡よい響きですね(∩´∀`∩)

側近さんにはこれを、プレゼント♪
つマウスピース

2015/10/19 (Mon) 15:21 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

タイフーン様:

最近長いお話書いてなかったので、久々に挑戦です(^^ゞ
脳みそが途中で煙出さないといいけど(笑)

やっぱ新婚さんならハネムーンに行かないと~( *´艸`)
さて、お嫁さんとイチャイチャしたい陛下のもくろみ通りになるかしら?
そして李順さんの歯ぎしりがギリギリ…(笑)

2015/10/20 (Tue) 18:47 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

あい様:

取りあえずプロローグです(^^ゞ
波乱と甘々、両方が書ければいいなーと思ってます。…書けるかな?(笑)
相変わらず陛下に振り回される李順さん、彼にも慰安旅行が必要ですねえ(;´∀`)

2015/10/20 (Tue) 18:52 | REPLY |   

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2015/10/20 (Tue) 18:57 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

みく様:

やはり新婚旅行ですからね、甘々も欲しいですよね!( *´艸`)
でもそう簡単にはお嫁さんとイチャイチャはさせないのです。(←オニ)
黄昏散歩、懐かしい!イラストまで覚えててくださったのですね~。嬉しいデス(*ノωノ)


2015/10/20 (Tue) 18:57 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

のっぺ様:

こんばんはー(*´▽`*)
李順さんにも安息日が必要ですねえ。偶には国王夫妻ほったらかして温泉でも行くべきですよ!(←陛下の思う壺)

こんな感じで新婚旅行に出掛ける訳ですが、陛下には「こんな展開になるくらいなら止めて置けばよかった」と
頭を抱えるようなお話を目指してます!(←どんなだ?)(笑)

2015/10/20 (Tue) 19:02 | REPLY |   

なな  

Re: こんにちは~(*゚▽゚)ノ

RON様:

こんばんはー(*´▽`*)
やはり新婚時期にしかできないイベントですからね~。
陛下、お嫁さんと遊ぶ事しか考えて無さそうですが( *´艸`)

ああ、歯ぎしり対策にはマウスピース(笑)必要です。

2015/10/20 (Tue) 19:06 | REPLY |   

なな  

Re: No title

うりうり様:

こんばんはー(^^)/
側近を振り回す我儘陛下を、更に夕鈴が振り回すと面白いなーなんて。(本人に自覚なく)
けど李順さんにお説教食らうのは夕鈴で、それで陛下が文句を言ったら、
二人は「貴方のせいでしょ!」――的なな感じで。(←どんな感じだ)
確かに王宮の外に出るお話、私も好きなんですよねー( *´艸`)

言われてみると、夢中になると人の話を聞かない所、陛下と紅珠似てる気がしますねえ。(笑)
ツッコみ役が必要です。

2015/10/20 (Tue) 19:19 | REPLY |   

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