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ななつむぎ

こんにちは。好きな漫画主に狼陛下の花嫁、帝の至宝、コレットは死ぬことにしたの感想や妄想を気ままに綴っております。

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可愛さ余って(前編)

Category蜜月編短編
こんばんはー(^^)/

久々に、連休でのんびり引き篭もっております。
そんな訳でちょっとSSを書いて見ました。

今回は陛下が風邪を引くお話です。
正直ちょっとやそっとのことで風邪引くようには見えませんが。
そして風邪を引いた所で、素直に弱まるとも思えませんが(笑)
ま、そこは妄想なので(・∀・)

タイトルは
「可愛さ余って○○さ100倍」ってとこで、
たぶん我儘子犬陛下に振り回される、夕鈴の呟きです。

それでは宜しければ どぞー












***************************







先日までの秋の陽気から、ここ数日一気に冬の気配が色濃くなったある日――

渡り廊下に吹きつける冷たい木枯らしに身を竦め、書簡の詰まった箱を手に戻ってきた李順。

「失礼します」
国王専用執務室に入室すると、書箱を卓に揃え整理をしつつ李順が口を開く。
「急に冷え込んできましたね。風邪でも召されては大変ですから、陛下も上着を一枚増やして――」

ふと目を遣ると執務机で書類に埋もれた主が卓上に頭を伏しているので、またサボりかと李順は溜息を吐き、
「陛下!そのような所で転寝してはお体が冷えますよ。休憩されるのでしたらキチンと仮眠室で!」
側近の窘める声に、黎翔がもぞりと身動ぎする。

「……ん、…ああ李順か」
怠そうに吐息し、やや赤らむ顔を上げた。

それを見て李順が怪訝に眉を潜め、書類を置きツカツカと歩み寄る。
「…陛下?どうかなさいましたか?」
そして主の顔を覗き込み、「失礼します」と前置きしそっと額に手を当てて見て――ギョッとする。
「!陛下、もしや熱があるのでは?!」
「ん――、なんか今朝から怠いからそうかもしれん。…でも大した事ないから少し休めば…」
「なりません!本日は後宮に戻って安静になさって下さい!直ぐに侍医を呼びますから」
「いいよ、ちょっと寝てれば直るから。それより書類が溜まって行く一方だから…」
こういう時、侍医だ薬師だ祈祷だと大袈裟にされるのを嫌がる黎翔に意見しても埒が明かないと、李順が一括する。
「大人しく言う事聞いて下さい!」

――という訳で、黎翔は半ば強引に後宮へと連れ戻された。





***





「ええっ、陛下がお風邪を召された?!」

後宮に連れ戻された黎翔は私室に寝かされ、李順から知らせを受けた夕鈴が急いで駆けつけた。

寝台に寄り添い、心配げに尋ねる。
「だ、大丈夫ですか?陛下、お熱は?」
「うん、ちょっと怠いけど平気だよ。李順は大袈裟だから」
そう言うものの、やはりいつもより顔色も悪く、浅い息遣いで熱もありそうだ。
きっと私に心配させまいと気を遣っているのだろう。
(いつから具合が悪かったのかしら?)
今朝は普通に出掛けて行ったので全く気付かなかった。
夫の体調不良に気付かないなんて私ったら…!と夕鈴は妻としての至らなさを悔やむ。

「本当に大した事ないから大丈夫だって。寝込むほどでもないし」
「ダメですよ!ちゃんと寝てないと」
苦笑し起き上がろうとする黎翔を慌てて寝台に押さえ付ける。

李順がこそっと小声で夕鈴に耳打ちする。
(私が幾ら申し上げても聞いて下さらないので、お妃様からもお願いします)
(は、はい!)

夕鈴は労し気に彼の手を握り、
「ほら、手だって熱いし…!とにかく今日は李順さんの言う通り安静になさって下さい!いいですね?」
「だったら…夕鈴、ずっと側にいてくれる?」
小犬がきゅうんと心細げに耳を垂れさせる。
「勿論です!私が全力で看病しますから安心して休んで下さい」
その言葉に、小犬はにぱっと笑顔で耳と尻尾をパタパタ。
「じゃあ休む♪」

やっと大人しく休んでくれる気になったかと、李順と夕鈴がやれやれと胸を撫で下ろす。

「お妃様、今から侍医が参りますが…陛下のお世話をよろしくお願いします。正直、陛下にはなるべく早急に体調回復して頂かないと困りますので」
「分かりました。私がしっかり見張って休ませますのでご安心ください!」

夕鈴が胸を叩いて請け負い、李順は雑務をこなしに王宮へと戻って行った。



それと入れ替わりに医局から侍医が駆けつけ、早速陛下の診察を行った。
「微熱に、倦怠感、喉の腫れ――ここ数日の寒気でお風邪を召された様ですな。お珍しいことです。取りあえず薬をお飲みいただいて、一晩しっかり休まれれば回復なさるかと」

陛下の主治医である初老の侍医がそう言うと、薬湯を作りに一旦席を外す。

側に居た夕鈴も自分の知る限り、そう言えば陛下が体調崩すのはこれが初めてだと思い返す。
「陛下が風邪引くなんて珍しいですよね」
「うん、風邪なんて引いたの数年ぶりかも。久しぶりすぎて自分の体調不良にも気付かなかった。あはは」
「笑い事ではありません。ですから昨夜上着をもう一枚重ね着してと申し上げたのに…」

急に冷えだした昨晩、夕鈴はちゃんと夜着の上に重ね着したが黎翔は「いいよ」と受け流して結局夜着一枚のみで寝入った。きっとその薄着が原因だ。

「だって重ね着したら君の温もりを味わえないじゃないか」
「も、もうっ!そんな事言ってるから風邪引くんでしょ?!」

顔を赤らめ夕鈴が窘めると、女官らが盆を運んできた。

室内に侍医が煎じた薬湯の漢方臭が漂う。
それと食欲をそそる粥の匂いと、瑞々しい果物の香り。
「侍医様よりこちらのお薬湯を。その前に軽くお食事をなさって下さいますようにとのご指示です」
「そうですね。さ、陛下、お食事してお薬を――」
夕鈴が女官から盆を受け取りにこやかに陛下の元へ運ぶと、
「…薬は嫌いだ」
鼻を突く漢方独特の臭いに、「凄く不味そう…」と顔を顰めぼぞりと言い放つ陛下。
(…やっぱり)と夕鈴は困り顔を浮かべる。

陛下の薬嫌いは今に始まった事じゃないけど、今はそんな事言ってられない。
是が非でもコレを飲んでしっかり休ませ、早く彼の風邪を治すのが自分に与えられた使命!

後は自分がやるからと女官らを下げ、夕鈴は子供に言い聞かせるように陛下を宥めすかす。
「そんな我儘言っちゃダメですよー。これ飲んでぐっすり寝たらすぐ治りますから、ね?」
「薬はいらない。寝てれば治るし」
ぷいっと顔を背け布団に蹲る駄々っ子に負けじと、
「じゃ、じゃあせめてお食事だけでも、それならいいでしょう?ねっ?」
「……うん」
兎に角食事させる!そしてまた宥めすかしてなんとか薬を飲ませなくちゃ!ニコニコ笑顔の下で策略を練っていると
「じゃあ夕鈴が食べさせて」
「はい?」
「あーんして食べさせて?体が怠くて自分で食べられないし」
「……はいはい」
まあいい、このくらいの我儘は許容範囲だ。

食事を取りやすいように陛下の上体を起こし、背中にクッションを挟んでやる。
傍らの小卓に盆を置き椅子を持ってきて寝台の横に座り、まだ湯気を立てている粥を蓮華で掬いフーフー冷まし、
「…はい、あーんして」
素直に口を開け黎翔が粥を啜る。彼が味わって飲み込む様を眺め、少々照れつつ夕鈴が尋ねる。
「…美味しいですか?」
「うん。もっと食べさせて」

催促されるまま同じ動作を何度か繰り返す内に母性本能が刺激され、
(ちょっと可愛いかも)
と、夕鈴も満更でもない気分になってきた。

とは言え――弟が風邪引いた時によくこうして食べさせてあげたものだが、やはり陛下の場合は少し勝手が違う。

「くすっ…、夕鈴、手が動くと食べにくいよ」
そう言って蓮華を持つ夕鈴の手を、やや熱を帯びた熱い手で握り自分の口元へ寄せる。
まるで手を舐められているようで妙に艶めかしく、無意識に心臓がドキドキ高鳴る。
(私ってば、相手は病人なのに…)
そして蓮華を傾ける際、うっかり彼の口端に粥の米粒がつき夕鈴が手拭いで拭こうとしたら、
「夕鈴、ここ舐めて?」
「え?」
「手拭いより舐めた方が早いよ。ほら、お願い」
「……」
仕方なくおずおずと顔を寄せ、彼の口端についてる米粒をそっと舌で舐めとってやる。
そのまま米粒を飲み込み着席すると、妙な空気にアタフタしつつ再び粥を掬おうとしたら、
「粥はもういいよ。今度はそっちの果物を君の手ずから食べさせてくれる?」
「あ、は、はい」

(…手ずから?)

器に水分たっぷりの大粒の葡萄や甘い天仙果、雪梨が切り分けられており、暫し迷ったが夕鈴は器を片手に乗せ、指で柔らかな天仙果の果肉を摘み彼の口元へ運ぶ。

「ええと…、はい、あーん」
その手首を掴み、黎翔は果肉を口に入れ、それから果汁で濡れた彼女の指をもぺろりと舌で舐めとる。
「ん、甘くて美味しい」
「あ…あの…」
指を舐められる感触に胸が騒めき、赤い顔で夕鈴が顔を顰める。
「ちょ…、な、なんかヘンですよ。こんな事しなくても食べれる癖に…」
「だってこうした方が食欲をそそるだろう?どうした、全力で私の看病をしてくれるのではないのか?」
急に子犬から狼に変貌し、彼女のか細い指を口内に含み熱い舌を這わせてくる彼に戸惑う。
「けど…これじゃまるで…」
熱の籠った口内で指をしゃぶられると、まるで…ヘンなことをされているような気分になる。

「さあ、もっと甘い果物を食べさせて」


結局――器に盛られた果物を全て平らげるまで、その行為は繰り返された。




(つづく)


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- 2 Comments

のっぺ  

わわ♡この後の展開に期待しちゃいます(^o^)陛下、風邪ひいてるのに元気ですね!風邪ひいても、うまく利用して自分のやりたいようにもってく感じが国王ですね。

風邪‥‥。一昨日、家族が40.8度出して受診させたけど、医師に「熱の高さは重篤度とは関係ありませんよ」と言われました(^^;でも、40度越えたらびっくりしますよねぇ? 陛下は夕鈴のあまーい看病をうけて、すぐ回復するんだろうな(* ̄ー ̄)

2015/12/12 (Sat) 13:58 | EDIT | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

のっぺ様:

偶には風邪引いて弱まった陛下が見たいなーと思ったのですが、
風邪引いてもやっぱり唯では転ばない人ですよね(笑)
まんまと夕鈴に甘えて好き放題しそうな予感(´艸`*)

それはそうとリアルな風邪は気を付けないとですね💦
いや、40度越えたらびっくりしますよ!(;^ω^)じゅうぶん重篤レベルですよ~💦

2015/12/12 (Sat) 21:29 | REPLY |   

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