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ななつむぎ

こんにちは。好きな漫画主に狼陛下の花嫁、帝の至宝、コレットは死ぬことにしたの感想や妄想を気ままに綴っております。

紅楼夢4

Category紅楼夢
こんばんはー。(*´▽`*)

大晦日ですね。これが今年最後の更新です。

当ブログを始めて三度目の年越し、来年の春にはもう4年目ですか~!凄い!!Σ(゚Д゚)
三日坊主の私がよくこんなに続いてるなー、と自分で驚いている位ですから。(笑)

特に今年は、以前から夢だった「同人誌本を作る」事に挑戦でき、(しかも5冊も)感無量!
ブログ立ち上げた当初は、本を作りそれを委託販売するなんて思いもしなかった訳ですから。
コツコツ綴ってきたものを形に出来て、とても充実した一年でした。(´-`*)

いつも閲覧・コメントありがとうございます。
来年もマイペースでコツコツと頑張りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは皆様良いお年を~(^^♪





















客たちの笑い声の響く広間から廊下を奥へ進むと、建物の端に位置する個室がある。


その入口を仕切る分厚い衝立の手前で張り付き、夏宝玉がこっそり中の様子に聞き耳を立てていた。

部屋には、金に物を言わせ自分をコケにしたあの新規客。
今、その相手を夕花が一人でさせられているのだ。
(可哀想に、きっと女将に命じられ嫌々なのだろう)
勝手な思い込みで憶測し、宝玉はギリギリ歯噛みする。

そもそも夕花は自分が先に目を付けていたのだ。
一人前の妓女に上がったあかつきには――(親に頼んで)大枚はたいてでも水揚げを引き受けたいと考えていた。

『水揚げ』とは妓女となって最初に取る客と同衾することで、妓楼主の依頼を受け、その相手には財力の豊かな上客が選ばれる。
そして引き受けたからにはその妓女の身の回りの道具類や衣装・装飾品等々、一通り揃えでやらなければならない。
妓女の身形はそれ即ち贔屓の旦那の格というものを現す。
本来なら宝玉の如き若造がなれるものではないが、そこは上町きっての豪商の跡取り、女将も亀奴も文句はあるまい。(親の金だけど)

自分が贈った衣装で飾り立て、そして恥じらう夕花の着物を一枚一枚剥がして…この手でじっくり開花させていく…。
これぞ、男の浪漫だ!
その様を頭に思い描き…つい妄想してしまう。

『ああん…っ、そんなとこ触っちゃダメェ、恥かしいの…宝玉さまぁ』
『そうやってまた俺を焦らして…。こんなに悦んで濡れている癖に』
『やああん~、そんな手荒に弄っちゃいやぁ~、やさしくしてぇ…』

緊縛され嫌がりつつも、妄想の中の夕花は実に従順にしどけなく自分に体を開いてくれる。

いやよいやよも好きの内、と親父も言っていた。
これまで相手にしてきた女も皆そうだった。
きっと夕花も口では嫌だと言いながら、本当は俺の気を引こうとしているんだろう。ふふ…全く困った兎ちゃんだ。

完全な自己中の夢想に耽り、宝玉は顔をだらしなくニヤケさせうっとりし――涎が垂れそうになった所でハッと我に返り、慌てて手で拭う。
(それなのに…!よくも俺のお楽しみをあの新規野郎っ、横から浚っていきやがって…!)


完全な逆恨みだが指を咥え黙っておれず、こうして二人の様子を探っていると――通りかかった女将が気付き、小声で窘める。

「ちょっと夏の坊ちゃん!そんな所で何なさってるんです!」

ギクッと振り返る宝玉の後ろ衿を掴み引っぺがそうとするが、負けじと小声で反論。
「だって夕花があの野郎に無理やり手籠めにされてやしないか心配なんだ!なあ、ただ酌をするだけで、それ以上の事はさせないって言ってたよなっ?なっ?!」
すると女将は思わせ振りなニヤリ顔で腕組みし、
「…そりゃそう言いましたけど。男女が二人きり、酒が入れば雰囲気に流され…うっかりその気になる事だってありますしねぇ。お堅い夕花だってあんなイケメンに口説かれたら間違いが起きたってなにも不思議はありませんよ、ほほほ」
野暮なこと聞きなさんな、と女将が手を翳し含み笑いする。
「~~~っ(この、やり手ババア)」


宝玉が言い返そうとしたその時――衝立の向こう側から微かに声が漏れ聞こえてきた。
思わず二人して声を潜め、向こうの様子に聞き耳を立てる。

「……李翔さん。本当に…私が上に乗っていいのですか…?」
「うん、遠慮しないで、ほら…」
「は、はい…」

(…あらあら、いきなり上かい?大人しそうな顔してやるねぇ、あの娘)
女将が下世話な笑みを浮かべ口元を押さえる。
宝玉は会話から耳が離せず、衝立にべったりと耳を押し当てている。

次いで――中からくぐもった男の吐息が漏れた。
「……はぁ……。そう、そこ…すごくいいよ、夕花、上手だね」
「李翔さん…はぁ…ここすごく硬い…。はぁ……こう言う事するの、久々なんでしょ…?」
「最近仕事が忙しくてね…。ああ、そこ…もっと…っ…」


「~~~っ」
腹立たしい一方で二人の艶めいた会話――とりわけ夕花の色声に反応し、自身の妄想も合さってか、宝玉は真っ赤な顔でハアハア言っている。
女将が呆れ顔で、
「ちょっと、何息荒くしてんですか。ほら、もう邪魔しないで向こう行きますよ!坊ちゃんには他の妓女宛がってあげますから」
「お、俺は夕花がいいんだよぉ~っ」
「はいはい、また今度ね」
「絶対だぞ?!」

後ろ衿掴まれ駄々っ子のような宝玉を女将がズルズル引っ張って行く。






一方――奥の間では、というと…


広々とした長椅子に俯せに寝そべった李翔の上に、夕鈴が足を広げ跨る格好で乗っていた。

しかし女将と宝玉が想像したような色っぽい雰囲気ではなく――

「李翔さん、はぁ…ここ…痛くないですか?」
「大丈夫、痛気持ちいいんだ。もっと力入れてもいいよ」
「背中だけじゃなく肩も酷い凝りですねぇ。ほら…こうやって肩甲骨の溝に沿って指圧してやると…気持ちいいでしょ?」
「ああっ、それ、すっごくいいっ」

凝った背中に、全体重を乗せ的確な指圧を施していく夕鈴に、李翔がうっとり顔で悦楽に浸っていた。


奥の間に料理や酒が運ばれ、夕鈴は李翔の隣に座り最初はぎこちなく酒の酌をしていたのだが、酒が入り多少色っぽい雰囲気になるかと思いきや、専ら二人の会話は都の世間話。
王都に来たばかりという李翔は都事情に興味津々で、夕鈴が下町の暮らしや物価の事などあれこれ話して聞かせてやった。

「――ふうん、やっぱり人伝いより直接自分で見聞きする方が都の事情を掴めるねぇ」
「ところで李翔さんは何のお仕事されてるんですか?」
「事務仕事ばかりの、しがない王宮の下っ端役人だよ」
李翔はにっこりと笑顔でそう答える。
「ずっと辺境にいたんだけど、最近こっちに赴任してきたばかり。だからこうして夜抜け出して息抜きも兼ねて都見物しているんだ」
「そうなんですか。それは大変ですね」
夕鈴が同情すると、李翔はトントンと自身の肩を揉みほぐす。
「肩凝っているんですか?」
「こっちに来てから毎日毎日デスクワークばっかりやらされててね。どよどよした陰気な男が容赦なく仕事詰め込むし、いつも僕の側でキツイ眼鏡の男がサボらないかって見張っているし…とにかく窮屈な職場で」
フ―っと溜息を吐く李翔。

お役人の世界も上下関係が厳しいのねぇ…きっと下っ端だからこき使われているんだわ、可哀想に。
片や連日酒池肉林の宴でバカ騒ぎしているあんな役人たちが幅聞かせてて、世の中ってホント不公平!と夕鈴は憤り、酒瓶を置きスクッと立ち上がる。

「李翔さん、ちょっとそこに俯せに寝そべって下さい」
「どうしたの?急に」
「背中をマッサージしてあげますから。私結構上手いんですよ。よく近所の知り合いの指圧とかしてあげてるし!」
胸を叩きにっこり笑う夕鈴に一瞬思案し――他意のない彼女の善意をくみ取り、李翔は素直に応じた。
「うん、じゃあお願いしようかな」


…という経緯でこんな状況になっていただけで、宝玉らが勘違いしたような色事は何もない。

初めは横に立ってマッサージしていたが、彼は見た目よりがっしりした筋肉質な体で、全体重を乗せないと夕鈴の指の力では凝り解すのは難儀だった。
そこで上に乗ってやったら?と李翔に提案されたのだ。
若い娘が男の人の上に跨るなんてはしたないかな…と頭をチラリと掠めたが、始めてしまえば李翔の気持ちよさそうな声に気を良くし、段々熱が入り襦裙の裾が膝頭までめくれ上がるのにも気付かない位熱中し、彼の凝りを揉みほぐしていた。

「ありがとう。とても体が軽くなったよ」
「どういたしまして」
ふう、と夕鈴が手を休める。

寝そべったまま――李翔はチラリと庭から覗く月を見た。

(――そろそろ頃合いか…)

そして急に体の向きを反転させ夕鈴を驚かせる。
「わ、吃驚したっ!――て、あの…す、すみません、私もう降りますねっ!」

仰向けになった李翔の上に跨る格好になった夕鈴は、漸く自身が生足を膝まで晒している事に気付き、顔を赤らめおたおたと焦り退こうとする。

すると、李翔が彼女の白く柔らかいふくらはぎの辺りに手を添え、押し留めた。
足に触れられ、夕鈴は内心ドキッとする。
「まって、夕花。――あのね、折り入って君に頼みがあるんだけど…聞いてくれる?」
「た、頼み…ですか?何でしょう……」
小犬顔から一転、急に肉食獣めいた顔つきになり、彼が夕鈴の頬にそっと手を伸ばす。

夕鈴が上に乗り見下ろす形だが、改めて至近距離で顔を見つめられ胸が高鳴りドギマギしてしまう。
早く降りたいし足を隠したいのに、何故か彼の紅い瞳に見つめられると身動きが出来なくなる…私どうしたのかしら…?

赤らむ顔で目線を逸らすと、李翔が夕鈴の偽名を口にする。
「夕花」
「……はい」
夕花、じゃない。私の名前は夕鈴。
彼には偽名じゃなく、そう呼んで欲しいと思った。
そんなとこを考えていると――彼がとんでもない爆弾発言をしてくれた。
「ね、夕花。君を見込んで頼みがある。…今夜上の部屋で僕と一夜を過ごしてくれない?」
「――――はい…?」

鳩が豆鉄砲を食ったような顔――と言えば、丁度今の夕鈴みたいな顔だったろう。









夜更け――そろそろ妓女は懇意の客と個室になだれ込み、色事に興じ始める頃合い。

そして今夜、唯の下働きの筈が夕鈴は一端の妓女の如く客に連れられ、2楼の個室の寝台に二人並んで腰を下ろしている。

(あれ…なんで私はこんなことに…??)
白目でダラダラと蒼褪める。



『―――僕と一夜を過ごしてくれない?』
彼は確かにそう言った。

「――女将、上の部屋へ行く」
あの後女将を呼び付けそう言い放つと、李翔は放心状態で頭が働かない夕鈴をひょいっとお姫様抱っこ。
「部屋へ案内してくれ」
女将は得たり顔でにっこり微笑み、
「畏まりました」


李翔に部屋へ連れられて行く途中、女将がニヤニヤと笑みを浮かべ、呆けている夕鈴に小声で囁く。
「後の事は心配せず、アンタは李翔様に全てお任せしていればいいから、大丈夫!」
と、訳の分からない、何の足しにもならない、夕鈴を益々不安に陥れるような事だけ言って、上機嫌で下がって行った。

(……大丈夫って、何が――っ?!!)

心の中で絶叫するも、隣に座る李翔に優しく微笑まれると、どうしてか上手く言葉が出てこない。
(でもこんな急に、会ったばかりなのに、こ、心の準備が…っ)
「……っ、……。……っ、……」
チラッと顔を上げ見つめては、恥かしくなり俯き、またチラッと顔を上げる…と言った動作を何度も繰り返す夕鈴。

李翔は一杯一杯の夕鈴の挙動不審に見入り、まるで木陰からこちらをビクビク覗いている兎のようで(…面白い)と思った。
もう少し彼女と遊んでいたいところだが、そうも言っていられない。其の目的の為に態々側近の目を盗んでやってきたのだから。

「それでは夕花、君はここに横になって」

「えっ?!ああああのっ、私は唯の下働きで…っ!」
寝床に押し倒されそうになり、夕鈴が真っ青に蒼褪め抵抗する。
「いいからいいから、心配しないで」
手首を掴まれあれよあれよという間にコロンと寝台に寝っ転がされてしまう。

(なに、何なのこの人、もの凄い手馴れてる?!人畜無害かと思ったら、実はとんだ女ったらし?!)



――突然の貞操の危機に、夕鈴は涙目で狼狽える。

やっぱり妓館でなんて働くんじゃなかった!と後悔するも、時すでに遅し――






(つづく)


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6 Comments

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

2015/12/31 (Thu) 23:26 | REPLY |   

ますたぬ  

2015年は楽しゅうございました。
残念なのは本を1冊買い損ねたことでございます。
2016年もどうぞよろしくお願いいたします。

2016/01/01 (Fri) 00:16 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

みく様:

あけましておめでとうございます。(#^^#)
狼陛下が続く限り萌えて行きたいと思いますので、こちらこそ今年もよろしくお願いします♪
お話の続きものんびりペースで頑張りまーす。

2016/01/01 (Fri) 20:02 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

ますたぬ様:

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。<m(__)m>
買い損ねた一冊と言いますと、あの幻のヤツですか?(←)(;^ω^)

2016/01/01 (Fri) 20:06 | REPLY |   

タイフーンです(≧∇≦)  

ななさーん!
明けましておめでとうございます\(^o^)/

今年もどうぞどうぞどうぞ!
お話、素敵絵、お待ちしておりますので〜‼︎
よろしくお願いしまーす(#^.^#)

続きが気になる終わり方‥!ふふふふふ〜
夕鈴、貞操すすても良いぞよ〜♪

2016/01/03 (Sun) 16:58 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

タイフーン様:

あけましておめでとうございます!(#^^#)
こちらこそ今年もどうぞよろしくなのです。<m(__)m>

年が明けてから仕事が忙しく、続きまだ書けてません💦
年末は割と良いペースでUPできてたんですけどね。続き少々お待ちください。
イラストもまた何か描きたいなぁ(#^^#)

2016/01/03 (Sun) 22:01 | REPLY |   

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