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ななつむぎ

こんにちは。好きな漫画主に狼陛下の花嫁、帝の至宝、コレットは死ぬことにしたの感想や妄想を気ままに綴っております。

月を仰ぐ嫦娥2

Category月を仰ぐ嫦娥
こんばんはー(・∀・)

早速2話目です。珍しく更新ペースが早い今回。
(いつもはもうちょいのんびり)
休みが飛び石で続いたのと、お外が寒いから、必然的に家でPCいじってる時間が長くなったのです(笑)(^^ゞ

ちなみに、タイトル『花蜜恋』はカミツレと呼びます。
でもオフ本の時には変えるかも知れませんので、今の所、仮タイトルで。

いつもタイトル決めるのに頭を悩ませます。これだ!ってどんぴしゃなの、中々下りてこないんですよねぇ(;’∀’)

さて今回、オリキャラで黎翔殿下(まだ王子)の兄を登場させてます。
兄の存在はあるのに、今まで本誌では名前すら出てなかったですよね。
なので完全にウチの妄想オリキャラと思って読んでくださいませ。(^^ゞ

それではよろしければ
続き、どぞー



【拍手コメ返信】

(お名前不明)
コメントありがとうございます!(#^^#)
今回はいつも以上にUPするのドキドキしてたので、お話の出だし、お気に召して頂けて嬉しいデス。




















母の死から半年――即ち夕鈴と出会ってから半年。


第二王子・黎翔の招きを受けて、夕鈴がちょくちょく後宮へ遊びに来るようになり、この頃には二人はすっかり打ち解け仲良しになっていた。

これまで侍官や女官、護衛の武官、勉強を見てくれる学師、剣術指南役の将軍など、ほぼ大人に囲まれて育った黎翔にとって夕鈴は初めて年頃の近い友達と呼べる存在だった。



最初僕を王子と知り、家で父親に諭されたのか、急に畏まり態度を改めようとした夕鈴だったが、

「お、王子様にたいし、たて…たてまつり、失礼…あ、大変失礼をいたししま…しましてっ…」
子供が無理に使い慣れない敬語を使うものだから、つい吹き出してしまう。
「いいよ、無理にそんな畏まらないで」
「でも、ちゃんとしないと父様に叱られちゃう」
ぽん、と彼女の頭を撫で、
「でも夕鈴にはまだ難しそうだ。いいんだよ、普段通りで。――それより向こうに綺麗な花が咲いてるから見に行かない?」
「うん!…じゃなくて、はいっ!」


満面の笑みを見せ、僕の後を付いて来る夕鈴はとても可愛い。
4つ年下の女の子――もし妹がいればこんな感じなのだろうか。母を失い胸にぽっかり空いた穴も、いつしか無垢で純真な彼女の存在に癒されている自分がいた。



普通深窓の令嬢は邸の奥で身綺麗にし、女らしい習い事や絵巻を見たりして慎ましく過ごすものだ。
なのに夕鈴ときたら元気良くピョコピョコ動き回り、予想通りのお転婆で木登りまでし始め、およそ貴族の令嬢とは思えぬ活発さだ。

落ちやしないかとヒヤヒヤしつつ木に登る夕鈴を見上げ、黎翔が話し掛ける。
「夕鈴は貴族のお嬢様なのに、外で遊ぶのが好きなんだね」
「はい。使用人の子達と小さい頃から一緒に遊んでいたから。だって木登りが出来ないと仲間にいれてくれないんだもの。…黎翔様は王子様だからこんなことしない?」
「そんなことないよ。実は僕も女官の目を掠めてよく登ってる」
そう言うと黎翔はスイスイと身軽に木によじ登り、あっという間に夕鈴のいる幹まで追いつく。
「すごーい!黎翔様、木登り上手!」
「クスッ。僕らがこんな所にいるの見たら女官達がさぞ慌てふためくだろうね」
「ね―」
クスクスと二人して笑い合う。

悪戯をしてるようなワクワク感。とりすました大人たちが見て驚く様を想像するのは楽しい。二人ならばこんな事も楽しいと思える。
勝手知ったる後宮の庭だが、今までずっと一人で過ごす事しか知らなかった黎翔にとって、夕鈴と言う友人を得て初めて知る感覚だった。


暫く木の上でお菓子を食べたり、他愛ないお喋りをしていると、側近の李順が黎翔を探しにきたようだ。

李順は眼鏡をかけ髪を後ろに束ねた、まだ年若い官吏だ。
科挙に優秀な成績で及第した秀才で、この春から黎翔付きとして仕えている。
几帳面で少々細かい性格だが、頭が良く、よく気の付く男だ。
「殿下、どちらにいらっしゃるのですか?もうじき学問のお時刻ですよ」

それを聞いて黎翔は溜息する。

「もうそんな時間が。二人で遊んでいると時間がいつもあっという間だ。もっと遊びたいのにな」
「黎翔様は真面目ですねぇ。ちゃんと学問するんだ?」
「…夕鈴はしないの?」
「しなさいって言われるけど、いつもサボってます!」
えっへんと胸を反らす夕鈴に、黎翔が半目でツッコむ。
「それ、威張って言う事?」
「だって~、学問って難しくって嫌い…。字を読んでいるとすぐ眠くなっちゃうもの。あ、でも弟の青慎はまだ4歳なのに本が好きなんですよ!黎翔様も学問好きなの?」
「うーん、好きとか嫌いとか考えた事ないなぁ。やらなきゃいけない義務みたいなものだし…。どっちかって言うと剣術の方が好きだけど」
「…じゃあ偶にはサボって見たら?」
「え?」
「…ダメ?だってもう少し黎翔様と一緒に遊びたいんだもの」
しゅんとしょげ、口を尖らせる夕鈴が可愛らしくて、黎翔はつい顔を綻ばせてしまう。
まだ10歳の子供らしい、あどけない悪戯っ子のような顔で夕鈴に耳打ちする。
「――よし、それじゃあかくれんぼしようか。李順が鬼で、僕らは見つからないように上手く隠れる。でも見つかったら大人しく戻るんだよ?」
「それ楽しそうっ!」

勝手に『鬼』に仕立てられた李順にとってははた迷惑な話だろうが、
彼がキョロキョロ辺りを見回し向こうへ行ってしまう様子を伺い、早速二人してこそっと木から下り、手を繋ぎ、鬼に見つからないようキャッキャと樹木の茂みを伝い、逃げ隠れする。


夕鈴はその遊びが気に入ったようで、夢中ではしゃぎながら、どんどん茂みの奥へと掻い潜って行く。

「あ、夕鈴、あまり奥へ行ってはダメだよ。そちらは……」

黎翔が声を潜め窘めるのも聞えず、夕鈴は無邪気に進んでいく。
茂みの合間に陽射しを浴びキラキラ輝く湖面が見え、
「え?なあに?黎翔様、早く早く――向こうに池がある……」




すると茂みの向こう側――池の畔に立ち、岩に足を掛け身を乗り出していた人と出くわしてしまい、お互い吃驚し声を上げる。

「きゃっ?!」
「うわっ?!なんだ、急に…驚かせおってっ!あ、危うく池に落ちる所だったではないかっ?!」
「す、すみません!こんな所に人がいるなんて思わなくて…」

見るとそこに居たのは黎翔より2,3歳上位の少年だった。

李順と同じ位の年頃かなと夕鈴は目算するが、翡翠色の上等な絹地に銀糸が織り込まれた長袍を纏い、結い上げた頭上に冠を付けている、やや神経質そうな面立ちの少年。
夕鈴からすれば、黎翔とて王子様らしい充分上等な身形だと思うが、この少年は頭のてっぺんから靴の先まで全てにおいてがキッチリ完璧だった。

一目で高貴な身分だと分かる。普通の者なら近寄りがたいその雰囲気に気後れするものだが、生憎夕鈴はそう言う点でかなり鈍感だった。

「…あなた、誰?こんな所何やってるの?」
「な、何って、お前に関係ないだろう。ここは私の庭だ!」
気安く話し掛けられ、少年が怪訝に眉を潜める。
「お前、どこの者だ、私を誰だと――」
「ねえ!良かったら一緒に遊ばない?今ね、かくれんぼしてるの、楽しいよ」
「……え…、…あ…」

にこっと屈託ない笑顔を向けられ、少年は思わず言い掛けた言葉を飲み込み、どうしたものかと戸惑っている様子。

「ね、木登り出来る?」
「き、木登り?私は、そのような下賤な真似はしたことはない!」
「えー楽しいよ?じゃあ教えてあげるから。黎翔様もとっても上手いんだよ!」
無邪気な笑顔で夕鈴が話すと、途端に警戒を露わにし少年の表情が険しくなる。
「…なんだ、お前、あいつの宮の者か。――向こうへ行け、私に気安く話し掛けるな」
「どうして?」


そこへ背後から追いついた黎翔が呼び掛ける。
「夕鈴、ダメだよ。――耀春兄上、申し訳ありません。彼女はまだ子供なので…」

先程までの子供らしい表情は消え、黎翔はキチンと拱手し目上である兄への礼節を弁える。

「あにうえ…?」
夕鈴がキョトンと呟く。
言われてみると、彼は黎翔と同じ紅い瞳をしている。
という事は黎翔の兄王子なのだと理解し、夕鈴は慌てて黎翔に習い自分も拱手する。

黎翔は拱手しつつ辺りを見回すが、珍しく供の者が近くにいない。
いつもぞろぞろ取り巻きの侍官を引き連れているのに…もしかして一人で散歩でもなさっていたのだろうか?と伺う。


正妃を母に持つこの国の第一王子・珀耀春(はくようしゅん)は、久しぶりに顔を合わせた2つ下の腹違いの弟を冷ややかな目で見つめ、こう言い放つ。
「黎翔、お前の宮の者ならばしかと躾けておけ。――しかし宮女にしては少々幼いが――どこの娘だ、その者?」
「彼女は汀家の一人娘で、夕鈴と申します。本日は私の宮に遊びに来ていただけに御座います」
「…ふうん」
黎翔が背に庇う小娘にチラリと視線を向ける。

流石に夕鈴も相手が王子、しかも黎翔の兄だと知り、子供ながらに偉い人だと理解しつつおずおずと尋ねてみる。

「あの…所で王子様は、何をなさっていたのですか?」
先程池に向って何やら躊躇っていた風情であった。
その質問に耀春は渋々答えた。
「…詩文をしたためていた折、急に風が吹いて…そこの小枝に引っかかってしまったのだ」

言われてみると確かに、池にせり出した百日紅の小枝の先端に、小さな白い料紙が辛うじて引っかかっていた。次に風が吹けば、あっけなく湖中に舞い落ちてしまいそうだ。

「ああ、それで取ろうとしていたのですか?」
「兄上、危ないですから誰か侍官でも呼んだ方が…」
「……もうよい、別に大したものではない」

耀春はプイッと顔を逸らし口を噤む。そう言う割に、未練がましく小枝の先端をチラ見して。

黎翔と夕鈴は顔を見合わせ首を捻るが、ピンときた夕鈴がズバリ指摘。
「あ、そうか。自分の書いた詩を人に見られるのがお嫌なのですね?」
「…っ!そのような事は…っ、…」

耀春はムキになりそれを否定するが、言葉は尻つぼみになり、どうやら図星らしく。

「―――」
黎翔は意外な面持ちで兄を眺める。

同じ後宮に暮らしながら滅多に顔を合わせる事もなく、偶にすれ違っても通り一遍の挨拶を交わすだけ。お互い何の私怨もないが、立場上疎遠な間柄だった。そんな耀春のこんな一面を初めて見た。
(…夕鈴って凄いなぁ)
物怖じせず話し掛ける子供らしい無邪気さ、でも鈍感に見えて時折ズバリと人の心を読み取る。
僕と最初に会った時もそうだったな、と思い返した。


すると夕鈴が袖を捲り、いきなり無茶な事を言い出した。
「分かりました、それなら私が取ってきてあげます!」
「「え?!」」
思わず耀春と黎翔が同時に声を揃える。
「木登り得意ですし、大丈夫!あれくらい直ぐ取ってこれます」
「ダメだよ夕鈴、幾らなんでも危ないって」
「平気平気!」

制止も聞かず、夕鈴は百日紅の幹に手を掛けよじ登り始める。
あっという間に枝へ上がり、重みで僅かにミシミシと枝先が撓る。

それを唖然と見上げ、耀春は呆れ顔。
「……汀家の娘は猿なのか?普通、貴族の娘がこのような真似をするか?」
「……」

まあ、普通はしないだろう。
しかしこの百日紅の木は先程二人が登ってもビクともしなかった大木とは違い、そこまで頑丈ではない。幾ら子供の体重とは言え、あまり乗り出すと折れてしまうのではと黎翔は危惧する。

「やっぱりダメだよ、夕鈴!下りておいで。枝が折れてしまう」
「だ…大丈夫、あと少し…」
夕鈴が必死に手を伸ばす。あと少しで紙に届きそうなのだ。しかし重みに枝が反り益々ミシミシと撓りを上げ――その下は池。
「も、もうよいっ!やめよ、小娘」
見兼ねて耀春が声を上げると――

「あ…っ」

その拍子に手を滑らせた夕鈴が真っ逆さまに――ボチャンと水音を立て、池に落っこちてしまった。

「ゆ、夕鈴っ?!」
吃驚し黎翔がすかざず助けに池に入る。

幸い腰くらいまでの浅い箇所で、夕鈴は沈む事なく黎翔に捕まる事が出来た。
耀春もオロオロしつつ、
「しょうがない、ほら、掴まれ!」
岩場から彼女を引き上げるのに協力してやった。



全身びしょ濡れの夕鈴と黎翔、そして耀春も上等な衣装を少々濡らし、三人でその場にへたり込みはぁ…と安堵の息を付く。

「もう、だから危ないって言ったのに…怪我はない?戻って早く着替えないと風邪を引くよ」
「うん…、ごめんなさい、黎翔様まで巻き込んで」
「全くこの私にまで手間を掛けさせおって!だから木登りなど下賤な真似は…っ」
「ご、ごめんなさい。……あ、そうだ、――はい、これ…」
水に濡れくしゃっとなった料紙を夕鈴が差し出す。
「ちょっと濡れちゃったけど」
えへ、と頭を掻き苦笑いする夕鈴に、耀春は目を見開き言葉を失う。




――取り巻きの侍官も女官も、いつも自分の機嫌を伺い、媚を売る。

それは太子である自分というより――背後にいる母である正妃の存在にひれ伏しているだけだ。
喜んで機嫌取りはするが、全て打算ずく。何をしても、大した事をしていなくても褒めちぎるだけの連中に、耀春はいつも白けた思いで冷ややかに見下していた。

それなのに――
何の見返りも求めない純粋な善意というものを、耀春は初めて目の当たりにした。






(つづく)


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4 Comments

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2016/02/17 (Wed) 23:33 | REPLY |   

タイフーンです(≧∇≦)  

お早い更新(*^^*)
日参しておりますのでチェーーック!
嬉しいです!

出会いましたね!
オリキャラ様もドンとこい\(^o^)/
落ちてしまったのを手伝うとは、まだまだ王宮の闇に堕ちていない感じが伺えます。

続き、まずいですよ
楽しみ過ぎます!

2016/02/18 (Thu) 11:39 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

あい様:

ありがとうございます!( *´艸`)
私も子供の頃、ドロドロ昼ドラを見てハマってたクチです(←見るなって)展開が気になるんですよねぇ。
今回の話は好き好きが分かれると思いますが💦でも好物と仰って頂けると、ありがたいです(´Д⊂ヽこういう話はあまり需要がないんじゃないかってビクビクしながらUPしてるので。(←チキン)
続きも頑張ります~!

2016/02/19 (Fri) 10:39 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

タイフーン様:

ありがとうございます!( *´艸`)
早くお話を勧めたくて、寝る間を惜しんで続きを書いております。(←いや、寝てるけど)(笑)
オリキャラの兄王子、初登場の回でした。
そうですね、この頃はまだ3人とも確執もない子供でいられたんですね。
これからこの3人がどう絡まっていくか、続き、頑張ります~!(*‘∀‘)

2016/02/19 (Fri) 10:49 | REPLY |   

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