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ななつむぎ

こんにちは。好きな漫画主に狼陛下の花嫁、帝の至宝、コレットは死ぬことにしたの感想や妄想を気ままに綴っております。

月を仰ぐ嫦娥3

Category月を仰ぐ嫦娥
こんばんはー(*´▽`*)

久しぶりに春物のスキニーパンツを出して履いて見たら、……き、きつい。Σ(゚Д゚)
まさしく、『なんじゃこりゃ~っ?!』な心境です。
最近運動不足のうえに、甘い物をいっぱい食べていたからなぁ…うん。(遠い目)
春先に向けて現実を直視したななでした。(←そして見ないフリ)

さて、それでは3話目です~。(*´ω`)
少しずつ大人になる夕鈴と黎翔殿下を楽しんで書いておりますが、まだ今の所平穏です。
今後昼ドラっぽくなっていくのか、それとも挫折するのか…(←私が)
今回は色々と、塩梅に悩むところです💦(苦笑)

そんな展開でも大丈夫だよ~って言う方のみ、(^^ゞ
よろしければ続き どぞー

















夕鈴と出会ってから数年――


彼女が後宮の黎翔の元へ遊びに来ることはすっかり日常となり、時には泊まっていく事もあったが、まだ子供ゆえ女官達は「まるで兄妹のよう」と微笑まし気に見ていたのだと思う。

実際、4つ年下の夕鈴は何時まで経っても無邪気で幼く、10歳を過ぎても平気で黎翔の寝床に入ってきたりするのだ。
この頃になると黎翔はとうに思春期を迎え、背も伸び顔つきも少し大人びて心身共に子供から大人へと成長しつつあり、当然ながら男女の事も知識を得ており――未だ自分の床に潜り込んでくる無防備な夕鈴に苦笑するしかない。

「夕鈴、また女官の目を掠めてきたの?」
「だって折角お泊りするのに、黎翔様と別々なんてつまらないです」
「6,7歳の頃ならいざ知らず、流石にそろそろ同衾するのは不味いんじゃない?」
「なぜです?」
直球の質問に、言葉を濁す。
「えーと…夕鈴は汀家のお嬢様なんだから、その…ヘンな噂が立つと困るでしょ?」
「ヘンな噂って?」
「――うん、まあ…いいや。その話はまた今度ね」
ダメだ、まだこの手の話は夕鈴には通じないと、黎翔は曖昧な笑みを浮かべる。


読んでいた書物を閉じ、黎翔と夕鈴は寝床に並んで横になると、寝しなに夕鈴がお喋りを始める。

「さっき廊下から月が見えましたよ。今夜は満月でとっても綺麗です。でね、月の模様を見ていたら段々それが兎に見えて来て…」
「月に住む兎の話?」」
西方の国の月の伝承を思い出し黎翔が相槌すると、夕鈴がぽつりと呟く。
「でも月には蟾蜍もいるんですよね?兎と蟾蜍ってヘンな組み合わせ…」

『嫦娥奔月』――月の神話の事を言っているのだな、と黎翔は察する。
もとは仙女だった嫦娥が地上に下りた際に不死でなくなったため、夫の后羿がもらい受けた不老不死の薬を盗んで飲み、月に逃げ、蝦蟇(ヒキガエル)になったと伝えられる…。今日昼間に彼女が読んだ本だ。確か中秋節の由来になったと言われる神話だったか。

きっと兄の耀春なら「くだらん」と一笑にふす所だろう。黎翔だとてただの言い伝えだと理解しているが、そこは夕鈴の話に合わせてやる。
「きっと兎と蟾蜍が一緒になって、月で不老長寿の霊薬を手臼で打っているんだろうね」
「そっかぁ。そうですねー」

そんな他愛ない話をしてる内に、温かい寝床に段々瞼が重くなりウトウトし出し――夕鈴は先に寝付いてしまった。
黎翔は掛け布団を直してやり、あどけない彼女の寝顔を眺める。



夕鈴と出会って――瞬く間に5年の歳月が流れ、
黎翔にとって彼女は何よりも大切な、けどそれは血の繋がった肉親とは違う、特別な存在となっていた。

そして未熟な夕鈴にとっては、まだ『兄』と『友人』、まして『恋』との区別が付いていない事も承知している。

――ゆっくりでいい。
いつか夕鈴が大人になった時に自分の存在に気付いてくれれば――願わくば、このままずっと彼女の隣にいるのは自分で在りたい。
黎翔はそう願い、ゆっくりと瞼を下ろす。





***





しかし季節が移ろうように、人もまた、ずっとそこに留まることは出来ない。




やがて最初の変化の兆しが訪れたのは、夕鈴が12歳になった頃――


ある日――邸にいた夕鈴は腹痛と共にある異変に気付き、身の回りの世話をしてくれる使用人にそれを打ち明けた。

すると母親位の年齢の使用人が全て熟知した顔で頷き、直ぐに手厚く対処し、また夕鈴にも色々教えてくれた。
痛みを和らげる薬湯を与えられ、自室の寝床で安静にしていると、知らせを受けた父・岩圭もやってきてめでたいと大喜びする大人達に、夕鈴本人は自分の身に何が起こったのかまだ解せぬ面持ちでいると、
「夕鈴お嬢様、『初花』でございますわ。おめでたいこと、これでお嬢様も一人前の大人の女性ですね」
「大人の女性?」
「そうですわ。子を産む事の出来る体になったと言う証ですよ」
「誠にめでたい!こうしてはおれぬ、親類知人を招いて盛大にお披露目の宴を催さなくては!」
浮かれる父親に反し、夕鈴は不機嫌になる。
お腹が痛くて、不快で、こうして部屋で大人しくしていなければならなくて、ちっとも嬉しく思わない。それを態々人呼んで宴会するだなんて…。
不満を使用人に愚痴ると、
「きっと、そのうちに分かりますよ。」
と、笑うだけだった。



夕鈴は渋々家で大人しく過ごし――暫く黎翔のいる後宮へも遊びに行けない日々が続いた。



10日ほど過ぎ体調もとっくに回復すると、そろそろ黎翔の元へ行けるだろうかと考えていた時、

夕鈴が初潮を迎えた事を聞きつけ親戚の叔母が邸にやってきて、夕鈴のこざっぱりした色気のない身形をみて溜息。
「男親だけだとやっぱりダメね――貴方ももう12歳にもなるのだから、いつまでも子供じみていてはいけないのよ」
と、やれ装いだの化粧がどうのこうのと口出ししてきた。

若干12歳の子供を捕まえて何を気の早い…と思うがも知れないが、このご時世12歳ともなれば既に適齢で、17,8歳で未婚は行き遅れと言われる位だなのだ。いつまでも子供じみている姪に、心配になる叔母の気持ちも分からなくもない。
(…もしや叔母のような厚化粧顔にされるのだろうか)と夕鈴は戦々恐々。
腰が引けるも、勢いに逆らえずされるがままに身形をいじくりまわされ…



そして――一刻程して鏡に映し出された自分の姿を見て、夕鈴は思わず目を見開く。

叔母が持って切れくれた薄紫色の刺繍の入った襦裙を纏い、白粉と紅を施し薄化粧した顔、耳飾りに、長く伸びた薄茶色の髪を半分結い上げ艶やかな花簪で飾った自分の姿は、別人のように大人びて見えた。特に口紅が白肌に映えぐっと引き立ち、これが自分かと夕鈴は鏡をまじまじと眺めいる。

叔母は岩圭を呼び、
「どうお兄様?素敵でしょう?キチンとすれば亡き御姉様にそっくりだわ」
「本当だなぁ。とてもよく似合っているぞ夕鈴」
「これならいつでもお嫁に行けるわね。いずれ王の目にでも留まって…後宮へ上がることだって夢じゃないわよ」
「ははは、もしそうなれば我が家にとっては光栄な事だが――」

父と叔母の会話を耳に流しつつ、かたや夕鈴は鏡に見入り、親達の思惑とは全く別の事を考えていた。
(この姿――黎翔様に見せに行ってもいいかな?見たら吃驚するかしら?)
「ね、ちょっと後宮へ遊びに行って来てもいい?」

夕鈴が尋ねると、父と叔母は顔を見合わせ、にっこりと了承してくれた。











その頃――後宮の自室で勉強中の黎翔は、暫く顔を見せない夕鈴の事をもしや風邪でも引いているのではと気にかけ、側近の李順に尋ねてみた。
すると李順は、ああ、と思い出したように、
「確か――夕鈴様が『初花祝い』だとか。それで暫く外出は控えているのでしょう」
「初花祝い…」
黎翔は心もち頬を染め、その意味を理解した。そうか、夕鈴も12歳。もうそんな年頃なのだ。
「交流ある貴族を招いて汀家で盛大に祝いの宴を催したそうですよ」
「へえ…」
チクンと胸の引っかかりを覚え、黎翔は表情を曇らせる。

貴族らを招いて夕鈴が一人前の女性になった事をお披露目する――それは即ち、彼女の将来の嫁ぎ先候補への門戸を開いたということだ。15歳にもなれば成人儀礼も行われ、嫁入りが許されるようになる。名の有る貴族の令嬢であれば、大体その頃に嫁ぐものだ。
うかうかしていると何時の間にか夕鈴を誰かに取られてしまうのでは――と一抹の不安が過り、黎翔は胸がざわざわする。

その矢先――夕鈴が来たことを女官が知らせた。
黎翔は読みかけの書物もそのままに、パッと立ち上がり直ぐ夕鈴の元へと向かった。





枝垂れ柳が風にそよぐ午後――

夕鈴は暖かい陽射しを受けた朱塗りの欄干から庭を眺め、化粧し大人びた自分の装いを見てどんな顔をするだろうとワクワクしながら、黎翔の訪れを待つ。

ざわざわと気配がし顔を上げると――廊下をやってきたのは供を従えた珀耀春だった。
目が合い、夕鈴は慌ててサッと拱手する。

「――誰かと思えば…汀家の娘か」
「お久しぶりでございます。耀春様」

あの池ポチャ事件以来、耀春とはこうして偶に回廊ですれ違うが挨拶を交わす程度だった。
12歳にもなれば夕鈴にだって判別はつく。彼はこの国の太子で、ゆくゆくは王様になる人。幼い頃のように無邪気に話し掛けてはいけないのだと。

耀春は18歳となり、既に太子として、母である正妃が選別した良家の娘を何人か妃として迎えていると聞く。
出会った頃のような子供っぽさは消え、あまり感情を表に出さない静謐な風情を漂わせている。例えるなら、黎翔は何物にも取らわれない風で、耀春は風にそよぐ静かな柳の樹のような人だと夕鈴は思う。

「黎翔の宮へ参ったのか。――しかし今日は何やらいつもと雰囲気が違う」
「あ…はい。実は…叔母の勧めで初めて化粧を少々…」
気恥ずかしそうに俯く初々しい夕鈴の姿をしげしげと見つめ、
「少し前まで木登りしていた小娘が、化粧などするようになったか」
「い…今はもう、しません。…そんなには」
「―――私の宮に…献上品の異国の珍しい菓子があるのだが……」

少しの沈黙のあと、躊躇いがちに耀春が言い掛けたその時、丁度タイミングよく黎翔がやってきた。

「夕鈴――…、あ、…失礼致しました、こちらにおいででしたか兄上」
「黎翔様!」
黎翔の姿を見てぱあっと顔を輝かせる夕鈴に、耀春は言い掛けた口を閉ざし、ふいっと顔を背ける。
「――私は宮へ戻る」
素っ気なくそれだけ言い放ち、ロクに黎翔の顔を見ることなく、耀春は侍従を従えスタスタと行ってしまう。


その後ろ姿を目で追い、黎翔は仕方ないといった顔で苦笑する。
「最近、兄はロクに僕と目を合わそうとしないし、話もしてくれない」
「……」

夕鈴は複雑だった。
どうして同じ後宮に暮らす兄弟同士なのに、こんなにも殺伐としているのだろう。どうして仲良くする事ができないのだろう?
元々疎遠な間柄だと言うが、今の耀春はまるで『見たくないもの』を避けるような、そんな態度に映った。
黎翔が寂し気な顔を見せるのは、夕鈴も見ていて辛い。

「それはそうと、…今日の夕鈴はとても綺麗だね。僕、吃驚しちゃった!」
「はい…、叔母さまが初めてお化粧をしてくれて…」

あっという間に切り替え、ニコッと小犬のような柔和な笑顔を浮かべる黎翔は、兄の態度にももう慣れっこで特に気にしていない様子。
こんな日常に慣れていく彼も、夕鈴は見ていて辛くなり――自分が側にいると伝えたくて、無言でギュッと彼にしがみ付く。
「夕鈴?…どうかした?」
やや頬を染め、黎翔が優しく背中を抱き締め返してくれる。

暖かく優しい感触に夕鈴はトクン…と胸が締め付けられ、甘える様に彼の胸に顔を埋める。

「……」
初めて覚える、何やら甘酸っぱい胸の疼き――自分の中に芽生えた変化に戸惑う。



――遅まきながら思春期を迎えた夕鈴は、

この日を境に自分は『女』であり、黎翔のことを『兄』でなく――『男』として意識するようになった。






(つづく)



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6 Comments

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2016/02/20 (Sat) 21:36 | REPLY |   

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2016/02/21 (Sun) 01:43 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

あい様:

あらあら?おかしいですね~、私はエロい事は書いてないですよ~(´艸`*)
夕鈴の成長過程も黎翔様目線で考えるとエロくなるんですよね、…兎さんが食べごろになるのを待ってる的な?
今の立ち位置だと、兄がその気になれば、弟は逆らえないんじゃないですかね~💦Σ(゚Д゚)やばいよ、黎翔様!
いやしかしこれこそが昼ドラ(*´ω`)

2016/02/21 (Sun) 23:45 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

みく様:

今回は早くお話を進めたくて、書くスピードが早いデス(←珍しく)
こういう思春期の変化って、なんか甘酸っぱくて切ないですよね~(*´ω`)夕鈴がやっと女の子らしく恋に目覚めてくれました。
黎翔は早熟というか、早く大人にならざるを得ない環境ですものね。でもまだ不安定で未熟な少年ってのもなんかいい!(≧◇≦)
三角関係のもつれとか、ヤンデレな陛下を一度は書いて見たい~( *´艸`)きっと後半は大人向け展開ですよ(笑)

2016/02/21 (Sun) 23:55 | REPLY |   

タイフーンです(≧∇≦)  

ななさ〜ん!
夕鈴が恋心認識\(^o^)

菓子で部屋へ誘った事、太子様自身がビックリしてそう‼︎ ってもしかして機会を伺っていたなら更に‼︎‼︎
あっ、もう、愛憎劇って教えてもらっているからドキドキ感半端ないっっです!(◎_◎;)
黎翔様早く行動して〜

2016/02/24 (Wed) 06:25 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

タイフーン様:

徐々に夕鈴も黎翔も成長してますねぇ。
幼馴染み設定で、二人の子供時代からの過程を書くのは新鮮で楽しいデス。(#^^#)

そして兄・太子様も何気に夕鈴を誘おうとしてましたし、気になってるんですよねー。
でも夕鈴が黎翔様を見てるのは一目瞭然ですから。

兄が即位し、ここからが愛憎劇の始まり・・・?( *´艸`)
多分オフ本書下ろしで、大人向け展開になっていくと思います~

2016/02/25 (Thu) 21:54 | REPLY |   

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