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ななつむぎ

こんにちは。好きな漫画主に狼陛下の花嫁、帝の至宝、コレットは死ぬことにしたの感想や妄想を気ままに綴っております。

月を仰ぐ嫦娥4 (タイトル変更してます)

Category月を仰ぐ嫦娥
こんばんはー(・∀・)

昨夜から微熱と、体調不良なのですが…インフルエンザだったらどうしよう💦(;’∀’)
ただの風邪なら市販の薬飲んで1,2日で治ると思うんですけどね、
もしインフルエンザなら病院行かなくちゃいけないじゃないですかー( ;∀;)
滅多な事で病院に行かない人間なので、何されるのか怖いから…ヤダ!(←子供レベル)

幸い、今現在まだ微熱と倦怠感程度で、高熱にはなってませんが。
…多分大丈夫っぽい。( ̄▽ ̄)
でもウイルスをばらまくといけないので、家で大人しくしてます。
皆様も風邪にお気を付け下さいね~(‘ω’)ノ


それではお話の続きです。
ちなみに4話まできて、タイトルがなんかしっくり来ないので、変えました(^^ゞ
『嫦娥』ってのは、中国神話の月の女神で、中国版かぐや姫…?の仙女様の名前です。

お話は益々昼ドラっぽく暗くなっていってますが💦
ではよろしければ、どぞー
















それから更に数年の月日が流れ――

黎翔19歳、夕鈴15歳の初秋、二人の運命を大きく翻弄する季節を迎えようとしていた。





学師に出された宿題を全て終わらせた黎翔は立ち上がり、いそいそと濃紺色の外衣を羽織り出す。
側近の李順はそれを横目に、彼が誰と会うか察しはついた。
「――夕鈴様がおいでなのですか?」
「うん。庭園の四阿で待たせているんだ」

今日の課題はそれなりに結構難しい内容だった筈。
普段ならのらりくらり昼寝を交えのんびり取り掛かるものを、こう言う時だけやる気を発揮する。やれば出来る癖に…と呆れ顔。

「それはそうと黎翔様、明後日に予定されております狩りの催しですが、国王陛下並びに大臣方の御前でございます。ぬかりなきようご準備を――」
「分かっている」
「それと、耀春殿下もいらっしゃいますので…」
「兄上の前で余り出過ぎぬように、と言いたいのだろう?分かっているから心配するな」
事も無げに言い、黎翔はさっさと庭園へと行ってしまう。


「……」
黙って主を見送る李順は、側近として複雑な心境になる。

第二王子・黎翔に仕え始めかれこれもう10年近くになるが――文武共に秀でた才を持つ彼が『第二王子』という理由だけで、その才能を押し控えなければならないとは、何たる宝の持ち腐れなのだろう。
耀春殿下も決して凡器という訳ではないが、黎翔様の能力がそれを凌駕しているのは見る人が見れば分かる事。あの父君譲りとも思える君主としての類まれなる才気を振るう場も与えられず、このまま埋もれていくのは…ただただ惜しい。

しかし御本人が王位に対する興味も野心も微塵もなく、強力な後ろ盾もない以上、正妃の不興を被り『邪魔者』として排除されない為には致し方ない。

今は父王の庇護の元にあるが、それを失った時――果たして黎翔様の立場はどうなるのだろう?
このところ、国王陛下の体調が芳しくないという噂を小耳に挟んだ。
万一、変事があれば…
「―――」
自身が仕える主の将来を憂い、李順は重い溜息が漏れるばかりだ。








柔らかな木漏れ日が蜂蜜色に染まる午後――

「夕鈴、お待たせ」

黎翔が声を掛けると、湖畔に立つ風靡な四阿の扁額の下で景色を眺めていた夕鈴が気付き、笑顔を向けてくれる。

「黎翔様。ちゃんと宿題終わりました?」
「うん。夕鈴こそ、習い事サボらずにこなして来た?」
「失礼な、今はちゃんと真面目にやっていますよ!…今日はお琴と、お料理を習いました」
「料理?夕鈴が?」
「はい!使用人に習って初めてお菓子を作ってみたんです。初めてにしては結構上手く出来たんですよ。なので黎翔様にも是非召し上がって頂きたくてお持ちしました」
そう言って、可愛らしい小菊の布に包んできた手製の蒸し菓子を広げて見せてくれた。
形は多少不揃いでいびつだが、ふんわりとした生地に柑橘の果皮が練り込まれている。美味しそうな香りに黎翔が早速手を伸ばし、パクリと口の中に入れて見ると――
「うん、美味しいよ!夕鈴」
「良かった!今お茶をお淹れますね」

嬉しそうに顔を綻ばせる夕鈴の横顔を、黎翔は蒸し菓子を頬張りながらチラ見する。

――15歳になった夕鈴は、最近、なんだかとても女性らしくなってきた。
もう昔みたいに庭を駆けまわったり木登りなんてしないし、苦手な習い事もサボらず取り組むようになり、楚々とした貴族の令嬢らしい振る舞いを心がけている。勿論、天真爛漫な性格は変わっておらず、時折地も出るけれど――最近の彼女は黎翔の目に眩しく映る。
うかうかしていたら誰かの取られてしまうという焦りと、幼い頃からの付き合いで恋情をどう切り出せば良いのかタイミングが掴めず、手を拱いているのが現状。

「…夕鈴は、最近とても女の子らしくなってきたね。料理も上手いし、…これならいつでもお嫁にいけそうだ」
夕鈴の横髪を一房掬い黎翔が目を細め見つめると、彼の眼差しに夕鈴は気恥かしそうに口元を袖で覆い、俯く。
「…そ、そうでしょうか?」


小犬みたいだったのに、不意打ちで狼の貌でじっと見つめてくるのは心臓に悪い――彼の悪い癖だ。
そんな女慣れした仕草、一体どこで覚えてきたのかと疑いたくなる。
苦手な習い事も、興味のなかった女性らしい装いも、夕鈴が『いつでもお嫁にいける』よう日々努力してるのは誰の為なのか、…人の気も知らないで。

既に幾人もの妃を持つ耀春と違い、黎翔はまだ一人の妃も娶っていない。彼も19歳、そろそろ妃の…いや、恋人の一人や二人いても可笑しくない年齢だろうに。少なくとも夕鈴が知る限り、お付き合いしている女性の影は見当たらない。
夕鈴はチラッと彼を仰ぎ見る。
19歳になった黎翔はすっと伸びた長身に武芸を嗜む引き締まった体つき、女の自分が見惚れてしまう程の美貌。充分女性にモテる要素を兼ね備えていると思う。その容姿に王子という立場、若い女官の中には彼のお手つきになりたいと願う者も少なくない筈。
「……」
自分の存在は黎翔に取って何なのだろう?妹?友達?――もし、恋愛対象ですらなかったら…悲しいけど。
仄かに想いを寄せる彼のお嫁さんにいつか自分がなれれば…と、願うのは厚かましいかな…?


「……りん、…夕鈴、どうかした?」
「…え?…ひゃっ?!」
ぼんやり考え事していると、思いの外至近距離で黎翔が覗き込んできて、夕鈴は吃驚し仰け反る。
その腰の引け具合に、黎翔が剥れる。
「そんなに仰け反らなくても…」
「だ、だって凄く近いからっ」

ドギマギ顔を真っ赤に赤らめ、夕鈴は跳ねる心臓を手で押さえる。
(く、口付けされるかと思った~!)
(ちょっと間合いを詰めただけでコレだものなぁ…。口付けなんてまだまだ先か)
初心な彼女に攻めあぐねいて、前髪を掻き上げながら黎翔は苦笑し肩を竦める。











そんな折――文官武官を引き連れ、王都郊外の森で秋恒例の国王主催の狩りの催しが開かれた。

主に武官らが腕を競い合い、それを高位官僚らが国王を中心に囲み優雅に観覧するというもので、この日は正妃と幾人かの妃嬪も伴っていた。
若い頃は戦場の雄として名を馳せた国王も、例年なら自ら参加し狩りの腕前を披露する所だがこの頃体調芳しからず、その代りとして今回は王子達の活躍を高みから眺めていた。


武芸に秀でた黎翔は首尾よく獲物を仕留める寸前まで追い詰めたが、兄・耀春がまだもたついているのを察し、さりげなく取り逃がす。
程無くして――漸く兄が一番獲物の鹿を仕留めると、会場に居並ぶ家臣達から「流石は太子殿下!」と賛辞が贈られた。

馬上でやや髪を乱し息をついている耀春の元へ馬を向け、黎翔も兄を讃える。
「さすがは兄上です」
「――…ふん、心にもない事を言うな。お前、わざと取り逃がしただろう」
「…そのようなことは。偶々運が悪かっただけです」
「…余計な真似はするな」
それだけ言い捨て、耀春は先に戻って行ってしまう。

――兄は勘の良い方だ。
弟に手柄を譲られたという事が自尊心に触ったのだろう。
しかしそれでも己の身を守る為に兄より前に出てはいけない、自分はこうするより他に選択肢はないのだ。

黎翔はやるせなしに視線を巡らせ――

ふと、茂みの奥に、狐に襲われている小さな兎が視界に映った。
このままでは兎は無残に捕食されてしまうだろう。黎翔は咄嗟に矢を番え、ギリリ…と弓を引く。そして一瞬の内にかなり距離のある先の狐を一発で仕留めて見せた。
兎が無事にピョコピョコ茂みの向こうへ逃げおおせたのを確認し、誰を思ってか、
「悪い男に捕まらなくて良かったね」
と小さく笑う。



それを遠くから眺めていた国王は目を細め、側に居た周康連に話し掛ける。
周康連は今は尚書という肩書だが、次期宰相候補と目される王の側近だ。

「――のう、周尚書。アレをどうしたものか」
「アレ、と申しますと?」
「黎翔のことだ。――アレはまだ自分という者を良く分かっておらぬ。玉座に座るには…優しすぎるは欠点となる。時には清濁併せのむ冷酷非情さも必要…そうは思わぬか」

遠い馬上の息子へと視線を向ける国王に、周康連は答える。

「御意。黎翔様は何事においても無欲なお方。幾ら才知に溢れていても、ご本人に欲が無ければ玉座に登る事は叶いますまい」
「アレに玉座を欲するだけの、執着する何かが有れば…か」




その二人の会話を木陰で盗み聞きしていた侍官が、そっと正妃の元へ赴き耳打ちする。

正妃は絹団扇を翳し、夫である国王――そして黎翔へと視線を移し、漆黒の眸に狡猾な輝きを宿らせる。
「――全く、陛下の移り気なご気性は相変わらずじゃ…。今更気を変えられても困る。気長に少量の毒を盛るより、もっと早ように殺しておけば良かったかのう…」









国王主催の狩りの催しが恙なく幕を閉じた五日後――その変事は起きた。


その夜、後宮の妃の宮殿を訪れていた国王が突如倒れた。
恐らく毒を盛られたのだろう。体調芳しくない体に忽ち致死量の毒は回り――医官の懸命の蘇生も虚しく、王はあえなく崩御した。



当然ながら、王宮中がこの国を揺るがす大事に右往左往した。
大臣らは激高し、警備責任者と侍医、そして後宮管理人である張元を怒鳴りつける。

「なぜ毒が盛られたのだ!毒見は何をしていた?!」
「毒見はしておりました!しかし昨晩陛下が後宮で召された御酒器は――我々の預かり知らぬもの」
「誰がその御酒を運んだ?!女官か?それとも妃か?拷問に掛けてでも吐かせるのだ!」
「それが……両名共に、恐ろしくなったのか、既にその場で自害しております…」
「……っ」
それを聞き、大臣は言葉を詰まらせた。


容疑者が自害したとなればこの事件の真相は闇入り。
表向きには『病死』と公表され、
裏で見えない圧力がかかり、国王陛下を弑した真犯人は不明のまま――騒ぎは収束を迎えた。


王の突然の崩御に正妃が亡骸に取りすがり、太子である耀春が立ち合い、
父の妃嬪達が己の今後の身の振り方を案じ取り囲み、

息子である黎翔は口出しする事も、近づくことも出来ず、ただ遠巻きに見守るより他に無い自分に歯噛みする。






そして厳かな大喪が明け、新年を迎えると、
やがて人々はもう終わった事よりも、先へと目を向け始める。

太子である耀春が即位、正妃は皇太后となり、
新たな春の御代に人事体勢が整えられ――百官が中央殿広間に傅く中、耀春は玉座に座った。






(つづく)


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8 Comments

のっぺ  

おはようございます!体調大丈夫ですか?ゆっくりして、いっぱい寝て早く元気になってくださいね(^○^)私は最近忙しくて毎日イライラです(*_*)眉間にシワが出来そうになっているのを発見し、落ち込んでます(笑)

このお話も大好きです!昼ドラみたいなの、ドキドキしますねー♪夕鈴を取り合う展開になっていくんですよね!?無欲な黎翔さまも、夕鈴だけは譲れない!みたいになったら、、、そういうのいいですよねー♡二人は両想いみたいだから、今後どうなるか楽しみです(*^^*)

兄上殿下、きっと本当は良い人なんだろうけど、いろんなしがらみのせいで、なんだかちょっと可哀想ですね。兄上殿下にも夕鈴みたいな奥様がいれば、心も安らげて兄弟も仲良くなれていたのかなぁと思いました。夕鈴は譲れませんけど!

なんか、長文コメントですみません!あと、蜂蜜色の午後、という言葉にすごくきゅーんとしました♡二人のあまい雰囲気と、蜂蜜色の午後の組合わせ、素敵過ぎます!ラブラブな二人も大好きですけど、両片想い時の二人ってすごくキュンキュンしちゃうんです。たまらなく大好き!


2016/02/24 (Wed) 05:38 | EDIT | REPLY |   

カナ  

No title

お久しぶりです。カナです。
体調大丈夫ですか?無理しないでくださいね。最近は私も忙しくて目がまわってます。

変更したタイトルめっちゃいいですね。ますます昼ドラっぽい!
そしてお話を読んでたら、正妃様怖いですねΣ(゚д゚lll)
これからの正妃様がちょっと気になります。
でもやっぱり、夕鈴と黎翔様のコンビが最高です!
ますますドロ沼になるのを期待してます*\(^o^)/*

2016/02/24 (Wed) 13:51 | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/02/24 (Wed) 17:12 | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/02/24 (Wed) 23:39 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

のっぺ様:

こんばんはー(・∀・)体調がまだちょっとアレなんですが、のっぺ様のコメに元気を分けて頂きましたよー。ありがとうございます!色々あると時には余裕もなくなっちゃいますよね、そんな時は一歩立ち止って「まあいっか」と(´-`*)

お話やっとここまで来ました。でもここからが昼ドラ本番なんですよね。(笑)
黎翔さまは後ろ盾のない王子で、兄上が王様だから、基本逆らえないんですよー(´艸`*)夕鈴を取り合うのは、圧倒的に分が悪いですよねぇ。
兄上も本当は悪い人じゃないのでしょうが、優秀な弟を持つと兄は頑なになるっていうアレですよね。さてドロドロはここからですよー(笑)今後の展開は…やや大人向けになっていくと思いますが…。(^^ゞ(そこらへんはオフ本書下ろしで)

あ!蜂蜜色…のくだり、お気に召して頂けて凄く嬉しいデス♪
何気に自分でも気に入ってるフレーズだったりして(笑)

2016/02/25 (Thu) 21:47 | REPLY |   

なな  

Re: No title

カナ様:

お久しぶりですー(#^^#)コメありがとうございます。
まだちょっと体調すぐれないのですが、無理せずぼちぼちやっております。カナ様もどうぞご自愛くださいませ。(#^^#)

前のタイトルが内容といまいち合ってないな~と思い、変更しました。確かに昼ドラっぽい!(笑)
正妃様怖いデスよー。まさしく毒花・・・(;'∀')皇太后になって実権を握ったらもっとヤバそう💦
夕鈴と黎翔もほのぼのしてましたが、これからはそんなことやってられなくなる展開くる・・・?(;・∀・)多分

2016/02/25 (Thu) 22:07 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

あい様:

えへへ、タイトル変えちゃいました(^^ゞ
そうなんです、オフ本見越して、前のだとなんだか内容と合って無いなーと思いまして。
だってこれからが、ドロドロ本番なんですから(´艸`*)

兄上が即位して、黎翔様の立場も変わります。
それぞれが大事なものを守る為に、代償を払う事になるでしょう。
後半はきっと大人展開・・・まあそこんとこはオフ本書下ろしになるかと。(^^ゞ

2016/02/25 (Thu) 22:21 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

みく様:

ありがとうございます~。体調まだ万全ではないんですが、ぼちぼちです。(#^^#)みく様もインフルお気を付け下さいね。

両片思いの二人はやっぱりもじもじ、じれったいですねぇ。ほんと黎翔様、口付けくらいしないと!ですよねぇ。(笑)
でも今後は(やっと)昼ドラ展開になっていきそうです。本誌では出来ないようなドロドロをさせたい。( *´艸`)
多分大人向け展開っぽくなってくるので、そこんとこはオフ本で~(^^ゞ

2016/02/25 (Thu) 22:35 | REPLY |   

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