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ななつむぎ

こんにちは。好きな漫画主に狼陛下の花嫁、帝の至宝、コレットは死ぬことにしたの感想や妄想を気ままに綴っております。

いつか蝶になる日まで2

Categoryいつか蝶になる日まで
こんばんはー(^^)/

のんびりお話の続きです。

では よろしければどぞー






「――そうですね。まずはこの本の前半分を熟読なさいませ」
「ま、前半分?」
「それが理解できるようになってから、後半分です」
「……💦」

そこで怖気づき、夕鈴は冷汗ダラダラ黙り込んでしまう。
すると蘭瑶は涼しい顔でこう言う。

「お妃様、後宮入りした妃ならばこの位は序の口ですよ?」
「…はい…」

(この『後宮の本気』って、やっぱり本気なのね…)


この本は所謂「房中術」を記した書物で、具体的な手技手法が事細かに記されているのだ。
確かに最初の数頁は基本中の基本だろうと、曲がりなりにも黎翔の『本物の妃』となった今なら夕鈴でも頷ける。

しかし頁を捲って行くにつれ徐々に技の難度も上り…途中から『びっくりぎょーてん』レベルになってきて、夕鈴は見る見るうちに顔が赤くなりもう直視すら出来ないのだ。
初めは老師が私を騙して面白がっているだけだと思ったが――蘭瑶様の口振りから察するに(これはアレだ、ガチで本気なやつだ…)と夕鈴は理解した。

(うそでしょう?!いくら夫婦ったって…こんな恥かしいことまでするの?!)
自分が陛下相手にこんなことするのかと想像しただけで、羞恥のあまり気絶しそうになる。



クラクラ目を回している夕鈴に、蘭瑶はアドバイスを付けたした。

「もしくは――直接夫君であられる陛下に教えを請うてみては?」
「へ、陛下に?」
「書物で学ぶよりその方が飲みこみも早いでしょう」

(陛下に直接教わる?!確かに…ふ、夫婦なんだからそれが手っ取り早いでしょーけど…)

そりゃ陛下の為に勉強しようと思ってる訳だけど…いざとなると恥ずかしい~っ💦


夕鈴がかああ~と顔を赤らめてると、蘭瑶は鋭く目を細める。

「ふふ…、それにしても不思議ですこと。まるでつい最近嫁いだばかりのような初々しさ。お妃様は後宮入りしてもう一年以上経つのですよね?」

そのつっこみに内心ギクリとする。
いけない、臨時花嫁だった頃も表向きは妃だったのだから、ばれない様にしないと!

「(ええと…)一度は暇を出され後宮を退いた身ですが、改めて出戻り、一から陛下に誠心誠意お仕えしようと決意を新たにし…」
怪しまれないようそれらしい言い訳を繕うと、蘭瑶は一瞬間を置いてから、
「そうですか」と微笑む。
「―――」
「……」

バレてないかドキドキしながら伺うが、相変わらず蘭瑶様の本心は見えない。



話を変えようと、夕鈴はおずおずと質問して見た。
「あの…蘭瑶様はかつて後宮入りした当初、そういった恥じらいとかはなかったのでしょうか?」
「…恥じらい?――そうですね、初めはそんな感情もあったかも知れない。でも、たった一人の夫の訪れを、数多の妃の中で待って、待って…待ち続けるうちに、目的を果たす為に恥じらいなど忘れてしまった…」
蘭瑶は遠い目をして自嘲する。

「……」

かつての悲哀を滲ませる蘭瑶にやるせない思いで見つめると、彼女はクスッと微笑む。

「遠い昔の事でございます。ですが――今の後宮にいるのはお妃様唯一人、ならば当然為すべきことはお分かりですね?」
「私が、為すべきこと…」
「貴方がこの先も陛下唯一の寵妃で在りたいのなら、その役目をしっかり認識なさいませ。それが出来ないのであれば――他の妃を陛下に勧めることです」
「―――」


元後宮妃である蘭瑶のその言葉は、夕鈴の心に重く深く響いた。






***






その日の夜――

政務を終え遅めの時刻に帰ってきた黎翔を、既に湯浴みを済ませ夜着に着替えた夕鈴が出迎える。

「お帰りなさいませ、陛下!」
「ただいま夕鈴。あー今日も疲れたよ~」

こんな時間まで山積みの書類と格闘していた彼は、顔を見るなり小犬で夕鈴に抱き付いて来る。

尻尾を振り甘えて来る夫を労わるように抱き留めつつ、
「お疲れ様でした。お食事はなさいました?」
「うん、執務室で簡単に済ませた」
「小腹空いてませんか?何かお夜食召し上がります?」
「ん――それより君を食べたいな」

冗談めかして、隙を付いてチュッと「ただいまの口付け」をしてきた黎翔に、「もう…っ」と頬を染めつつ夕鈴も応じる。


何度かちゅっ、ちゅっ、と啄むような軽い口付けを繰り返し、それからしっかりと唇を重ね合わせると――やがて口内に厚みのある舌が侵入してきて、夕鈴は目を閉じたまま眉根を寄せる。

「…ん、……んん…」

たどたどしいながらも夕鈴も頑張って舌を絡ませると、更に強く情欲を孕んだ黎翔の舌がそれを蹂躙してくる。
徐々に息苦しく、体が甘く痺れて来て――限界が来ると夕鈴が彼の肩を叩く。
それを合図に漸く黎翔が夕鈴の唇を解放してくれた。

「…ぷはぁっ」

はあ…と息継ぎし、へなへなと力が抜けた様子の夕鈴が真っ赤な顔で凭れかかると、余裕の表情で黎翔がそれを抱き留める。

「ふぁ…。すみませ…、少し休ませて…」
「(クスッ…)口付けだけでもう降参?」

黎翔が揶揄い口調で笑うと、夕鈴が遠慮がちに尋ねた。

「あの…どうしたらもっと口付けが上手くなるのでしょう…?何か長く続かせるコツとか…あります?」
言った側からかああ~と赤くなる。
夕鈴の柔らかいほっぺたを両手でムニと挟んで上向かせ、黎翔が覗き込んでくる。
「教えて欲しい?」
「う…は、はい…」
「そう。じゃ折角だから、座ってじっくり手ほどきしてやろう」
「きゃっ」

小犬だったのが何時の間にか狼の顔つきで舌なめずりし、耳と尻尾をピンと立て、いそいそと夕鈴を抱きかかえ寝所へ連れて行く。


うう~、恥かしいけれど、これ書物にも詳しく載ってなかったし、直接陛下に聞くしかないわ。

私はいつも口付けするとき緊張のせいか上手く息が継げず、すぐ苦しくなって中断させてしまう。きっと…本当は陛下、物足りないんじゃないかな?だから雰囲気を壊さず、あそこから--もっと続けたらどうなるのか知りたい。





黄花梨製の調度類と白絹の寝具で纏められた寝室は燭台の灯りでほんのり明るく、黎翔は寝台の縁に腰を下ろす。

そのまま夕鈴を膝上に横抱きで座らせると、頬にちゅ、ちゅ、と口付け、耳元に囁くように手ほどきを始める。


「まずは体の力を抜く。力まず…一度深呼吸して、そう。そのまま唇を開いてごらん…」
「ん…こう…ですか?…んっ」
黎翔が夕鈴の柔らかい下唇を食むように甘噛みしてくる。
「まず感触を楽しむ。ほら、同じようにやってみて?」
「……ん」

言われるまま夕鈴もそっと黎翔の唇に振れ、それから見よう見まねで彼の下唇を甘噛みしてみた。すると彼も動かし、互いに食み合うような動きになってくる。でもこれならまだ合間に息が出来るから苦しくならない。

暫くそうやって慣らしていると、
「今後はこうやって…舌を差し出して…」
軽く吐息し、彼の舌が濡れた夕鈴の唇を舐めてきた。自然と自分も舌を差し出したら、彼がそれを吸い上げてきた。
「ん…ふぁ…ん…」
思わずビクッとし薄目を開ける。
「ほら、君もやってみて」
「はい…、ん…、ん…っ、は…ぁ…」

唾液で濡れた舌が、更なる刺激を求めて絡み合う。

緩急をつけ、深く、浅く、彼のリズムに合わせる内に、その合間に時折唇をずらし呼吸をする術を理解した夕鈴。多少の息苦しさは感じつつも呼吸困難に陥る事もなく、舌が溶け合い、直に彼の熱を感じることで体の奥がゾクゾク疼き出す。

(…ん。なんだか…気持ちいい。口付けってこんなにも甘美なものだったの…?はぁ、身も心も蕩けそう…)



夕鈴がうっとり夢中になってると、黎翔が漸く彼女の唇を解放してやる。
「―――」
交換し合った互いの唾液が二人の唇の間で銀の糸を引き、その様がとても淫らな気がして…夕鈴は頬を熱く染める。
「はぁ…はぁ…、ん…、へい、かぁ…」
「夕鈴…」
黎翔もまた今の濃厚な口付けに当てられたのか、強い情欲を瞳に滲ませている。

(そんな…飢えた狼みたいな目をして…)

きっと閨に不慣れな私の為に、彼は無理をさせまいと自分の欲望を抑えているのだろう。
――でも我慢なんてしてほしくないの。




意を決して、ごくりと生唾を飲み込む。

「あの…ですね、実は今日、この本を読んでみたのですが…」
夕鈴が寝台の枕元に忍ばせていた例の書物を取り出す。
それは確か、いつぞや見せられた「後宮の本気」だか何だかの指南書――
「え、これって」
「はい、…老師から借りてきました」
「・・・」
黎翔が困り顔。
「(はぁ…)君はこういうのは読まなくていいと言っただろう?」
また『下町に帰りたい』などと思いつめられては敵わない。それでも夕鈴は負けじと食い下がる。
「ですが、私、妃として、陛下の為にもっと色々出来る様になりたくて…。でも本で読んでもイマイチよく分からなくて…」
ううっ、と夕鈴が赤面し本で顔を隠す。

彼女なりに一生懸命なのは汲み取り、黎翔は苦笑を浮かべる。

「いいんだよ無理しなくて。夕鈴は今のままで充分…」
「だからっ!…陛下、…が、私に閨を…教えて?」
「……っ!!」
潤んだ瞳でじっと上目遣いに見上げて来る夕鈴に、黎翔は頬を染めグッと言葉に詰まる。

(そんな顔でお願いされたら、…困る!それも『閨を教えて』なんて、これは一体何の罠だ…?!)

そんな事言って、途中で「やっぱりムリ!」とか逃げ出すパターンだろう?その場合、色んな意味でダメージを食らうのは自分。だからこそ今はゆっくりじっくり閨に慣れさせている段階なのに、いきなり僕が本気だして怯えられたら、五十歩後退どころの騒ぎじゃない。自重しろ、黎翔。この頃の兎は罠が恐ろしく巧妙になってきたものだ…。(遠い目)

「……」

そこまで頭の中で巡らせ、黎翔は悟りの境地で笑顔を浮かべる。
「夕鈴、本当に無理しなくていいから。僕達は少しずつ、僕達らしい夫婦になっていこう?ね?」
しかし夕鈴はじわ~と涙を浮かべ、こう口にした。
「けど、私…陛下の本気が、知りたいの…」
「―――!!」


黎翔の鋼の理性がブチッと音を立て、切れた。




(つづく)


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8 Comments

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2016/05/11 (Wed) 08:09 | REPLY |   

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2016/05/11 (Wed) 09:59 | REPLY |   

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2016/05/11 (Wed) 19:50 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

あい様:

無意識に狼さんを煽っちゃう天然兎さん。やっぱり悪女なのかしらね~?(´艸`*)
今回はそこまでRメインなつもりじゃなかったのですが、スイッチ押しちゃった以上多少は書かないとですかね?( ̄▽ ̄)
次回はさらっとRで。(←)

2016/05/11 (Wed) 22:38 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

ますたぬ様:

こんばんはー。お久しぶりです、コメありがとうございます。(*´ω`)
今回は夕鈴に大人の階段を上らせるために、蘭瑶様に一役買ってもらいました。さすが毒花さん、いいとこ突きますよね。

さて、狼さんは理性がブチ切れ、この後一旦いい思いをするのですが・・・??(´艸`*)
夕鈴が人妻っぽく色っぽくなったら、色々困るのは陛下ですよね~(笑)

あ、オフ本感想ありがとうございます!(●´ω`●)
兄上の存在が意外と物語的にいいスパイスでしたかね~。彼と夕鈴の関係をもう少し掘り下げたかったけど、まああくまで黎夕カップルのお話なので、ラストは二人のハッピーエンドでないと!(*´ω`)

2016/05/11 (Wed) 22:51 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

まるねこ様:

無意識に煽る兎さん→罠に嵌る狼さん・・・のフラグですかね?これは?(´艸`*)
兎さんに可愛くお願いされたら、分かってても引っかかっちゃいますよね、彼は(笑)

いやでも、陛下の本気ってちょっと怖いわ。重そう。
私にそんなヘビーなの書ける気がしない~💦←(;^ω^)

2016/05/11 (Wed) 22:59 | REPLY |   

みかんママ  

私にも聞こえてきました(笑)

遅くにお邪魔します。
ご無沙汰していてスミマセン。

今回のお話は『大人の階段を上る夕鈴』なんですね。

陛下の“鋼の理性”がブチ切れる音が~(笑)。
(≧∇≦)

続き、楽しみにしてますね♪ (o^∀^o)

2016/05/13 (Fri) 01:11 | REPLY |   

なな  

Re: 私にも聞こえてきました(笑)

みかんまま様:

こんにちわー。コメありがとうございます。(^^)/

そうなんです。今回は「夕鈴が大人の階段を上る」のと、それに対して「心配になる陛下」って感じのお話で進めようかと。
兎さんの可愛さに理性がブチっと切れて、ついがっつく陛下(笑)
でもまだ前半なのでR度は軽めでいこうかな~?(;´∀`)おほほ

2016/05/13 (Fri) 10:41 | REPLY |   

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