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ななつむぎ

こんにちは。好きな漫画主に狼陛下の花嫁、帝の至宝、コレットは死ぬことにしたの感想や妄想を気ままに綴っております。

狼陛下のお気に入り4

Category狼陛下のお気に入り

こんばんは|д゚)

梅雨空ですねぇ、終日ぐずついた雨曇りの空模様。
通院や用事がない限り、お天気の悪い日は家で大人しく過ごします。

--何故って?
古傷がしみる・・・いあやそんな古傷じゃねーだろ。ほんの2週間前の傷だ。←

そうではなくて、退院してからちょっとお財布の紐が緩くなってる気がするので、なるべく外出しないようにしとります。
なーんか知らないけど、アレコレ必要(と、思う)ものを買っている内に、使っちゃってるんですよねー💦(;'∀')
そんなもんですか?そんなもんですよね?←

あ、でもララ本誌はしっかり買いに行きますよ(笑)




と言う訳で、自宅で妄想という趣味に勤しんでおります。(●´ω`●)

それでは続き、どぞー









***********************










書庫棟の裏手――木陰に井戸を見つける。


夕鈴は空の水桶を地面に置き、気持ちを落ち着かせようと胸を手で押さえ大きく深呼吸する。

「はぁ~、なんか緊張する…。出仕初日からこんなんじゃダメだわ、気を引き締めないと!」
と思いつつ、先程の紫紺の袍を纏った男の顔を思い出すとそこで思考が止まってしまう。
「……」
すらりと長身に綺麗な顔立ち…幼馴染みの几鍔と同じ位の歳だろうか?
ちょっと独特の変わった雰囲気の人だよなぁ、一体どこの部署の官吏かしら?
名前は何と言うのだろう…?
何故か初対面の彼の事を気にしている自分に、夕鈴はハッと我に返る。
「いけない、いけない、お仕事!」

わたわたと井戸の水汲みに取り掛かる。



4本の支柱に反り返った瓦屋根の下、滑車が二つ付いた石造りの井戸に夕鈴は感嘆する。

「うわー、凄く水汲みしやすい!何これ?!我が家の井戸とは大違いだわ~っ」

外観も立派だが、とても機能的で水が汲みやすい。

庶民の汀家の簡素な井戸は縄を心棒に巻き上げるタイプのもので、結構力仕事なのだ。満杯に汲むと重さで肩を痛めるので、半分くらいの量を何度も巻き上げないとならない。
しかしここの井戸は滑車型で、非力な女の力でも楽に水が汲める。

「うちにもこんな井戸があったらな~♡これなら家事もはかどるのに!」

最新型かつ機能的な井戸にすっかり気を良くし、夕鈴はホクホクと上機嫌で水汲みを終え、満タンになった桶を両手に下げ書庫へと戻る。










第四書庫へ戻るとあの男の姿はなく、ホッと安堵の息を付く。
(あの人、仕事に戻ったのかしら?)
何となく拍子抜けし、満タンの水桶を床に置いたその瞬間――

「水汲んできたの?お疲れ様」

急に背後から話し掛けられ、夕鈴が驚いて飛びずさる。
振り返るとそこに居たのはあの紫紺の袍服の男。
「ひゃっ?!ま、まだいたんですか?!」
「うん、一人でこんな広い部屋の掃除なんて大変でしょ?本とか重いし、手伝おうかと思って」
「け、結構ですよ、それより貴方は早く御自分の部署に戻らないと、サボってるの見つかったら叱られちゃいますよ?」
「あー、確かに見つかると小うるさい奴がいるけど。でも偶には息抜きしないと頭が似詰まっちゃってさー。昨夜も夜遅くまで書類の片付けに追われて寝不足で…」

余程忙しい部署で日々こき使われているのか、彼は拗ねた様に深々と溜息を吐く。
まだ眠そうに目を細めてる彼に、夕鈴は気の毒がって同情する。

「官吏のお仕事って大変なんですねぇ。もし誰か来たら黙っててあげますから、もう少し昼寝してていいですよ?私、なるべく静かに掃除してますからっ」
気遣ってそう提案すると、彼は小犬のような柔和な笑顔を浮かべる。
「ありがとう」

その表情に不覚にもキュンと胸が高鳴り、夕鈴は慌ててパッと顔を背ける。


しかし結局、男はもう寝る気はないらしく、掃除を手伝おうとしてくる。
彼を曹熊と同じ下っ端だと思いこんでいる夕鈴は(まあいいか)、とさして気にする事なくその好意を受け入れる事にした。


今日は朝から男装し、緊張のしっぱなしだから、彼の子犬みたいな笑顔を見ているとついつい気が緩む。


「あのー、ところで貴方はどちらの部署の方なのですか?」
「僕?一応普段は政務室にいるけど、忙しい時はあちこち回っているかな」
「へえ、大変ですねぇ。――そっちの本取って貰えますか?」
「うん、これ?」
「ありがとうございます。すいません、こんなこと手伝わせちゃって」
「いいよ、だって重いでしょ、本」
「……」

夕鈴は梯子によじ登り上棚の書物を整理しながら並び違いの本を抜きとり、下にいる彼に手渡す。そして本来の並び位置に戻していく。
手伝いと言っても、男は唯梯子の横で幾つか積み重ねた本を両手で持って、彼女の指示通りに渡すだけ。

しかし――無意識に女の子扱いされているような気がして、夕鈴は訝し気に小首を傾げる。


「そう言えば――貴方のお名前って……」
「ああ、僕の名前は珀黎翔」
「珀黎翔…?」



ん?なんか、どこかで聞いた名だ。


(…あれ?珀って…確か王家の…って、あれ?!『珀黎翔』ってもしかして王様の名前じゃなかった――??)



「―――」

思考がある事実に到達すると、夕鈴は急にサーっと蒼褪め、冷汗と共に動悸を感じる。

「あ、あの…もしかして貴方って…」

恐る恐る口を開き掛けたその瞬間、
眼前に振り子のように揺れる小さな物体が視界に入り――それが蜘蛛だと認識した途端、夕鈴は自分が梯子の上に居る事も忘れ、吃驚し飛び退く。

「ひゃあっ?!く、蜘蛛!!」

ぐらりと体が揺れ、梯子の取っ手を掴み損ねた夕鈴は大きく体勢を崩した。

「危ない!」



下にいた男が咄嗟に本を投げ出し、落ちそうになる夕鈴を背後から受け止め――て、くれたまでは良かった。


が――その拍子に思わぬハプニングが発生。



むにゅ、と彼の両手が自分の胸を掴んでいる感触に、夕鈴は目を大きく見開き頭が真っ白になる。


「―――」
「―――」



自慢じゃないが17年生きて来て、これまで色恋に疎く一度も恋人がいなかった夕鈴。当然男に胸を触られた経験など皆無。

ゆったりめの男物の袍服に身を包み、念の為晒し布で胸を撒いてるので見た目には分からずとも――直に触れれば体の輪郭は分かってしまう。
こんな風にがっつり男に胸を掴まれた夕鈴は、羞恥のあまり言葉も無くす。

「ご、ごめん!」

慌てて男が手を引っ込めると、夕鈴は真っ赤に顔を染め、ばっと身を起こし、両腕を交差する様に胸を庇う仕草をする。

「~~~っ」
(しかし――自分は今、男!ここで悲鳴を上げたり取り乱したらダメだ!)
なけなしの理性でそう言い聞かせ、何とか冷静に対処しようと顔を上げた矢先――

「ごめん!ワザとじゃないんだ!!君が落ちそうになったから、その、咄嗟に受け止めようと…!本当にごめんね?!」

逆にわたわたと取り乱していたのは、寧ろ彼の方だった。
その狼狽えように、夕鈴は真っ赤な顔でポカンと口を開く。
「……」
「ほんと、決して不埒な気持ちとかじゃないから、信じて!」
「……」

若干頬を染め、あたふたと申し訳なさげに平謝りしてくる彼の言動は、どうみても……男に対する態度ではなく。


蒼褪めごくんと唾を飲み込み、夕鈴は恐る恐る確認してみる。

「あの~、珀黎翔って確か王様の名前だったと思うんですけど…」
「うん。そうだよ。僕、一応この国の王様」
「…っ!!(やっぱり~~っ)」

衝撃の事実に顔面蒼白の夕鈴は冷汗ダラダラ、そしてついでにもうひとつ尋ねてみる。

「所で、もしかして…私が女だってバレちゃってます……?」
胸を触ってしまった気まずさからか、彼はやんわり目を逸らす。
「…うん。最初会った時官吏の格好して男名名乗ってたけど――君、女の子でしょ?」
「~~~っ」


(やっぱりバレてる~~っ!!)




見た目は弟・青慎とそっくりだし、この格好で指導係の曹熊もすれ違った官吏も皆気付かなかったからいけると思った。

でもこの目の前の人にはどう言い訳を言い繕っても誤魔化しが効かないと、夕鈴は本能で直感した。
というか、胸を触られたのだからどうしようもない…。




『私に任せといて!』
青慎や几鍔にそう豪語しておきながら、出仕一日目にして何と言うていたらく。


寄りにもよって、王宮で一番偉い人に正体がバレるなんて、万事休す――





(つづく)
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6 Comments

いちご  

初コメゲットです〜ヽ(*´∀`)ノ
私もお財布の紐ゆっるゆるです泣
夕鈴やっと気づきましたね〜笑
陛下に向かってあれこれ注意するなんて失敗をする夕鈴可愛すぎます♡

陰ながら応援してます╰(*´︶`*)╯♡

2016/06/27 (Mon) 21:35 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

いちご様:

コメありがとうございます~(●´ω`●)
良く考えてみれば、お財布の紐なんて年中ゆるゆるでしたわ。今に始まった事じゃなかった(笑)
早々に夕鈴の秘密がバレて、それを陛下だけが知っているというシチュが書きたかった訳ですねぇ(私が)
さてこれからどうなるのか??(続き、まだ真っ白…)(;^ω^)

2016/06/28 (Tue) 12:43 | REPLY |   

いちご  

返信感謝です(*^_^*)

二人だけの秘密って、ドキドキしますよね(///▽///)♪

次回も
気長に楽しみに
待ってますヽ(*´∀`)ノ


2016/06/28 (Tue) 20:30 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

いちご様:

秘密の関係っていいですよね、そそる(笑)
陛下、夕鈴を構いまくるんだろうなぁ。( *´艸`)

続きも頑張りまーす♪

2016/06/30 (Thu) 19:56 | REPLY |   

minamina  

こんにちは。
陛下だと知らず、色々おしゃべりする夕鈴…可愛いですね。
王様に掃除の手伝いさせちゃったり!
二人だけの秘密ってドキドキです。
陛下、この状況を楽しむんだろうなぁ(笑)

2016/07/20 (Wed) 10:59 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

minamina様:

こんにちは(^o^)丿
二人だけの秘密って言う点では「臨時花嫁」と同じシチュエーションなんですよね(*‘∀‘)
そこが萌えツボというか、色々すれ違うのが両片思いの楽しい所で(笑)
陛下が嫉妬するのが自分的に外せないツボです( *´艸`)

2016/07/22 (Fri) 10:36 | REPLY |   

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