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ななつむぎ

こんにちは。好きな漫画主に狼陛下の花嫁、帝の至宝、コレットは死ぬことにしたの感想や妄想を気ままに綴っております。

狼陛下のお気に入り12

Category狼陛下のお気に入り

こんばんはー(●´ω`●)

お盆ピークですね。夏休みも残すところ後半戦。(はよおわれ、などと思ってませんよ~?)←

私はお仕事ですが、あちこちで花火やらお祭りやら、盛り上がってるようで。
面倒臭がりの私は、まず暑く人混みの場所に出掛けるという時点で
「涼しいクーラーの中で、美味しいものでも食べてのんびり過ごしたい~」と逃げ腰(←だめな女子です)

それと宣伝ですが、BOOTHにてDL販売に『夜来香』を追加してます。
ご興味おありの方、よろしければご覧くださいませ。(*´▽`*)

ではのんびり、お話の続きです。
中々サクサクUPできなくてすみません(^^ゞ
このお話も(多分)あともうちょっとだと思われます。

では どぞ~






**********************









夕暮れに差し掛かる頃――政務室では本日の業務をあらかた終え、官吏達はそろそろ帰りの準備を始めていた。
資料の仕分けをしていた夕鈴の背中をチラッと見やり、曹熊がゴホンと咳払いしさり気なく話し掛ける。

「あ――汀青慎、作業は終わったか?」
「はい、あとこれで終わりです」
「そうか。仕事も終わった事だし、ぱあっとメシでも食いに行くか?いい店知ってるんだけど」
「何ですか、急に」
手を動かしながら夕鈴が苦笑すると、
「いや、偶には気晴らしにと思ってさ…。いいだろう、偶には先輩の誘いに付き合え、な?」

いつも通りに振る舞っていてもどこか元気のない夕鈴に、曹熊はてっきり昨夜のことが堪えているのだろうと思った。だから気晴らしに町に繰り出し美味い夕餉でも奢ってやろうと考えたのだ。ただそれだけ。純粋に後輩を心配してのことで、その裏には決して邪心などない!と自分自身に言い聞かせつつ。

夕鈴も彼の好意を汲み取り、肩を竦める。
「そうですね、じゃあ偶には。――あ、でもその前にちょっと用事があるので、少し待っててもらえますか?」
「おう」

作業を全て終えた夕鈴は、曹熊を待たせて「用事」を済ませる為、政務室から出て行った。








そのまま夕鈴は早足で回廊を渡り、国王専用執務室へ向かった。
部屋の外には侍官が2名立っており、陛下への取次ぎをお願いすると一人が王に伺いを立てに中へ。直ぐに許可が下り、通された夕鈴は室内へ足を踏み入れた。


「―――」
昼間李順に言われた事を反芻し、何を聞いても狼狽えたり取り乱さないと自分に言い聞かる。
そして自分が何を言うべきかを再確認し、夕鈴はすうっと深呼吸し声を掛ける。

「陛下、失礼致します」
「ああ」
机で書面に筆を走らせていた黎翔が、そのまま返事する。
「ごめん、もう終わるから、ちょっと待っててくれる?」
「はい」

真面目に仕事している彼の姿を垣間見て、(もうこんなお姿を見るのも最後ね)と胸の内で呟く。

最後の書簡を決裁し終えた黎翔は筆を置き、肩こりを解すように伸びをした。
「あ~やっと片付いた!ずっと机仕事してたから肩が凝ったよ」
「お仕事お疲れ様です。こちらの決裁済みの箱に入れて置けばよろしいですか?」
「うん。こっちが呼んでおいて待たせちゃって済まないね。良かったら美味しいお菓子があるからそっちの長椅子にでも――」
「いえ、このままで結構です。それよりお話というのはなんでしょうか?」

どこか余所余所しい夕鈴の態度に、黎翔は若干首を捻りつつ、

「うん…。実は今後のことなんだけど、僕の考えとしては夕鈴、やっぱりこのまま君が官吏として働くのには無理があるかなって思って。昨夜の宿直といい、今後何か間違いがあっては大変だし」

黎翔としては「男の官吏達の中で寝食を共にする事を心配して」という意味合いだったのだが、夕鈴は昨夜自分との間に起った「男女間の間違い」と受け取り、胸に突き刺さる。きっと彼は昨夜の出来事をなかった事にしたいのだろう。

「分かって…ます。あのような間違い、陛下も困りますよね。――だってもうじきお妃様を迎えられるのに」
「うん?…ああ。…あれ?なんで君がそのことを?」
不思議顔の黎翔に、夕鈴は無理に造り笑を浮かべ平静を装う。
「昼間李順様から聞きました、陛下が近くお妃様を取られると。それから――私も考えまして、もうそろそろ偽官吏役も潮時だな、と。幸い弟の足のケガも大分回復してきましたし、頃合いを見て弟と交代しようと思います」
夕鈴がそこまで考えていると思っていなかった黎翔は、少し驚き瞠目する。
「これまで女とバレずに過ごせたのは陛下の協力のお蔭です、今まで本当にありがとうございました!」
「(…?)そう?なら話は早い――で、本題はここからなんだが、その…僕が迎える妃のことなんだけどね…」

黎翔が机の上で手を組み合わせ、やや照れ臭そうに『妃』の話題を切り出したので、夕鈴はギクッと動揺し慌てて彼の言葉を遮った。

「恐れ入りますがその話はまた今度に願えますか?!実はこの後すっっごく急な用事が入りましてっ!!」
早口でまくし立てる夕鈴の勢いに押され、黎翔が口を噤む。今の今まで普通だったのに、唐突に急用を言い出す夕鈴に首を傾げつつ、
「う、うん、それなら仕方ないけど。じゃあ明日、話の続きをしようか」
「……」
夕鈴は何も応えずやや寂し気な微笑を浮かべ、拱手した。

(いいえ、今日を最後に、私は――もう二度と貴方のお目にかかる事はない…)

「それでは、私はこれで失礼します」
「…うん」

丁寧にお辞儀し、笑顔のまま踵を返す夕鈴の後ろ姿に、一瞬何かざわつくものを感じ取ったのか黎翔が呼び止めるが――夕鈴は気付かぬふりをし、そのまま立ち去った。









執務室を辞した後――そのまま小走りに回廊を渡り、少し離れた所で立ち止ると夕鈴はその場にしゃがみ込む。

「~~っ、はあ…っ。良かった~~、もう少しでヤバイところだった…」

泣き出すのを堪え、最後まで笑顔で、ちゃんとお別れを言えた。

お妃を迎えるという話を実際彼の口から聞くまでは「もしかしたら何かの間違いかも知れない」という淡い期待を抱いていたが、目の前で本人に肯定されてしまえばどうしようもない。だからといって具体的な話を聞く勇気もない。
…弟と入れ替わるのは口実で、本当は――彼が迎えた妃の手を取る姿を目の当たりにしたくないから、王宮から逃げ出す自分に自嘲する。

「―――」

昨夜のことは陛下にとっては取るに足らない遊びでも、私にとっては一生に一度の大切な思い出。それを彼の口から否定されるのだけは嫌だ。
今日を限りに今生のお別れだけど、だからこそ無様に泣くより、せめて最後は綺麗な笑顔で彼の前から消えたいと思った。
それが夕鈴の女としての精一杯の矜持だ。

「………ふ…っ、うう~~…っ、…っ」

堪えていた涙が、今頃溢れ出す。



――あの人は王様で、自分はただの庶民。
端っから叶う筈のない身分違いの恋だと、諦めるしかない。
頭では分かっていても、やはり心は辛い。
下向いた顏から、大粒の涙が零れ落ちる。

「うう~~っ、お…狼陛下なんて…大っ嫌い…、っ…」

初めての恋の味はこんな苦しく切ないものだったけど――この次はちゃんと身の丈に合った人を好きになろう、と夕鈴は思った。





(つづく)

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4 Comments

いちご  

こんばんは〜
なんだか久しぶりにコメントするきがします^^;

次のお話が気になりすぎて何も手につかないです(T ^ T)←

ぜひ、へーかと夕鈴には幸せになってもらいたい(✱´□`)笑

次回も楽しみにしてます!

2016/08/14 (Sun) 23:04 | REPLY |   

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2016/08/15 (Mon) 06:51 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

いちご様:

こんばんはー(●´ω`●)
返信遅くなってすみません💦ここの所仕事がもの凄く忙しくて。

なのでお話の続きを書く時間も中々確保できず進んでないですが←(;´Д`)

でも最後はぜひハッピーエンドに持って行ける様に頑張りまーす♪

2016/08/23 (Tue) 23:30 | REPLY |   

なな  

Re: 気になるっ!

りと様:

ありがとうございます。(*´▽`*)
続き、暫く滞ってて申し訳ない💦仕事が忙しくて~(◎_◎;)
でも続き期待して下さって嬉しいデス(*ノωノ)

2016/08/23 (Tue) 23:32 | REPLY |   

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