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ななつむぎ

こんにちは。好きな漫画主に狼陛下の花嫁、帝の至宝、コレットは死ぬことにしたの感想や妄想を気ままに綴っております。

嘘つきは狼の始まり3

Category嘘つきは狼の始まり

こんにちは。(*´▽`*)

こう寒暖差が続くと、毎日着る服を選ぶのに困りますね。
中々物を捨てられない性質で、取り分け衣類は尚更「まだ着るかも」と思い、殆ど袖を通さない服を箪笥の肥やしにしてしまいます。
今年こそは断捨離!整理整頓!と言いながら、
恐らくこの状態で年越ししそうです。(@_@。(いや、今年こそは!)←


さて、それではお話、続き行きます。(*´▽`*)
うーん、このペースでは年内に終わる気がしない…(笑)











**********************








戸惑いつつも雛鳥を大事に両手に抱え、夕鈴はスタスタ歩いて行く少年の後を付いて行く。


何処へ行くのだろう?と伺っていると――少年がとある房間の前で足をピタッと止め、なんの遠慮もなく、いきなり不躾にその扉を開けるのでギョッとする。

「――張老師、いるか?」

そこは後宮管理人・張元の部屋だった。先々代の王の頃から仕える彼はもう何十年とここに住みつき、今や後宮の生き字引とも知恵袋とも言われる存在。
のんびり机で書物を広げていた老師が顔を上げる。
「やや、これは陛下。如何為さいました」
「?!」

その言葉に夕鈴が驚きのあまり真ん丸に目を見開き、息を呑む。
(陛下?今、そう言った?!…ってことはこの少年が噂の国王陛下なのっ?!)
身形からして身分の高い子だろうとは思っていたが、まさか国王陛下その人だとは…!

てっきり成人男性を想像していただけに面食らうが、『気に入らない女官を次々にクビにする』と言っていた明玉の言葉を思い出し、夕鈴は蒼褪め、慌てて後ずさりし低頭した。
「し、失礼を致しました!国王陛下とは露知らず、とんだご無礼をっ…」
急に恐縮する彼女に、陛下は特に気にするそぶりもなくニコッと微笑む。
「そんなの気にしなくていいよ。それよりそのヒナを何とかしないと。――老師、先程庭でこの雛鳥を拾ったのだが」

いきなりやってきた陛下と女官の小娘、二人を交互に見遣り張元が、陛下に尋ねられハッと我に返る。

「――は!ハイハイ、ええと、鳥ですな?おやこれは――椋鳥のヒナでしょうなぁ」
夕鈴の手の中でプルプル震え縮こまっている雛鳥を覗き込み、張老師が顎髭を擦る。
「あの、何か震えているみたいなんですが…」
「老師、どうすればよい」
「ふむ、まずは保温してやらねばの。雛鳥は体温が低下するとたちまち弱ってしまいますからな」




後宮では昔から高位の妃嬪が好んでメジロなどの玩鳥を飼い愛でる風習が多かった為、自ずと張元も扱いに慣れているらしい。

取りあえず、急ごしらえで用意した手頃な大きさの箱に柔らかい布を割いて敷き詰め、その窪みの真ん中に包むように置いて保温してやる。
明け方雨が降ったのかやや濡れそぼっていた体を布で優しく拭いてやると、短い羽がふんわりしてきた。しかしヒナは体を膨らませたままじっとして動かない。
「これはまだ寒がっている証拠じゃな。もっと温めてやらんと…」

そこで湯たんぽ代わりに温石を布で包んだものを、直接体に触れないように箱の隅っこに幾つか入れてやる。暫くすると漸くヒナは少し落ち着いたようで、夕鈴はホッと安堵の息を漏らす。

「良かったぁ…」
「ヒナって意外と寒がりなんだね。体温も人より高いし」
「はい、私も初めて知りました」
夕鈴と陛下、二人して箱の中のヒナを覗き込み、小声で言葉を交わす。


雛鳥より寧ろその二人の様子に興味津々の張元は、後ろからまじまじと眺める。
何せあの女嫌いの陛下が女官と仲良さげに会話しているのだ、これは瞠目すべき事象!
(この娘、使えるな)

妙案閃いた貌で老師が切り出す。
「それで陛下。この雛鳥、どうなさるおつもりで?ヒナの内は小まめな餌やりなど中々手がかかりますぞ」
「ん?ああ、どうしようか」
「あの、拾ったのは私ですから、要領さえ教えて頂ければ私が責任もって面倒を見たいと思うのですが」
「しかしお主は女官じゃろう。仕事もある上に、一体何処で世話するというのじゃ」
「う、そ、それはその…」
老師の指摘に、夕鈴が返答に詰まり手を拱く。

確かに女官の宿舎は他人と同部屋なので、生き物を飼育するなど当然同居人に迷惑がかかる。しかも新米の身で、仕事の片手間に一人でヒナの面倒を見るとなると…やはり色々無理がある気がする。

困り果てた夕鈴を見兼ねて、陛下が口を挟む。
「張老師、お前が面倒を見る訳にはいかないのか?」
「勿論陛下の仰せとあらば。――しかし生憎、腰を少々痛めてしまいましてなぁ…」
そう言ってワザとらしく曲げた腰を摩り、老師がしれっと別の提案を出す。
「そこで!その女官一人では心許ないので、宜しければ陛下が一緒に手助けをして差し上げては如何ですかな?」
「ええ?!そんなっ、こんなことに陛下のお手を煩わせるなど!」
夕鈴がとんでもないと頭を振り否定するが、当の本人があっさり快諾。
「――それもそうだな。よかろう。では老師、早速必要な品と場所を準備せよ」
「御意!直ちに」
老師はピンピンとした足取りで、張り切って準備に出て行った。

「…っ、……っ」
口を挟む暇もなく、夕鈴が呆気にとられ口をパクパクさせる。
(あのおじいさん、腰痛とか言ってなかった…??ってゆーか、下っ端女官如きが国王陛下に手伝いなんて、そんな大それた事させていい訳?!)

「あ、あのですね…っ」
やはり断ろうと口を開き掛けると陛下が振り返り、笑顔を向けて来る。
「僕、生き物を飼育したことなんてないから要領が良く分からないけど、頑張って手伝うから、何でも言ってね?」
「そ、そそそ、そんな事を陛下にさせたら私が叱られますっ。やっぱりダメですよ!ねっ?!」

ただでさえ新米の粗忽者な自分、国王陛下の御前で何かヘマを遣らかしたらどうなる?当然、速攻クビだ。…そんなの困るっ!!
失業したくない一心で夕鈴が全力拒否すると、途端に陛下はしゅーんと萎れたように俯く。まるで叱られた小犬の様相。

「やっぱり…僕が一緒だと足手纏いかな…?夕鈴、僕が手伝うの、嫌?」
きゅーんと小犬が耳と尻尾を垂れさせ、寂し気に上目遣いで見上げて来る。

(はうぅ~、子犬~っ!!!こんな顔されたら反則じゃないのよ~っ!!)

早くに亡くした母親に変わり、弟・青慎を溺愛し育ててきた分、夕鈴は年下のいたいけな少年に滅法弱い。その母性本能を刺激する小犬の眼差しにイチコロで堕ち、涙目でブンブンと頭を振る。

「そんな事ありませんっ!ぜひお願いします!!」
その台詞にぱあっと顔を輝かせ、子犬が嬉しそうに耳と尻尾をパタつかせる。
「本当?よかったー。それじゃこれからよろしくね、夕鈴!」
「は、はい…っ」

(ああ、もう、しょうがない…っ)――と夕鈴は腹を括る。









一先ず、やりかけの仕事をほったらかしだったので、陛下の許しを得て夕鈴は片付けに一旦下がった。


「……はぁ…」
どっと疲れた足取りで瓦屋根の渡り廊下をトボトボと女官宿舎に戻ると、向こうから明玉が夕鈴の姿を見つけ駆け寄ってくる。

「ちょっと夕鈴ってば、どこに行ってたのよっ?!」
「ごめんごめん、ちょっと用事が出来て…。先に昼餉とってて」
「あんた、何かやらかしたの?さっき女官長が探してたわよ?」
「えっ?!」

途端に夕鈴がサーっと蒼褪める。
先程の件がもう女官長の耳に入ったのだろうか?陛下に対し無礼を働いた事を咎められる?!

「どーしようっ、クビは嫌だ――っ!!」
早とちりし、うわぁんと半泣きで喚くと、
「そうじゃなくて、張老師の指示で『明日からあんたを陛下付きとして暫く貸してくれ』って要請があったんですって!一体何があったのよ?詳しく話なさいよっ」
噂話が何より大好物の明玉が、目をキラキラさせ問い詰めて来る。
「……」
友人の好奇の眼差しに、夕鈴は困り顔で愁眉を寄せる。

(…勝手に話がどんどん進んでいく。ああ、やっぱり色々と早まったかも…)



成るべく目立たず地道に働きたいという自分の望みとは裏腹に――
こうして、夕鈴の『受難』(?)は始まった。





(つづく)




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4 Comments

うさうさ  

待ってましたー!
歳下陛下と夕鈴のこれからがすごく楽しみです(^-^)やっぱり歳下の狼くんの活躍はどんなんだろう〜

2016/11/13 (Sun) 16:48 | REPLY |   

minamina  

官吏の次は女官夕鈴…いい、いいです♪
きっと年下でも陛下に翻弄されちゃうんでしょうね。
続き楽しみにしてま~す♪

2016/11/14 (Mon) 19:48 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

うさうさ様:

コメントありがとうございます。(*´▽`*)楽しんで頂けて嬉しいデス♪
年下陛下は初の試みですが、狼の本性は変わらないでしょうね、たぶん。(笑)
基本我儘で、兎が大好物~(*´▽`*)

2016/11/16 (Wed) 22:45 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

minamina様:

そーなんですよ、官吏もの書いたら、今度は女官ものが書きたくなって!しかも年下陛下とお姉さん夕鈴という設定が、急にぶわ~っと頭に湧いて来て(笑)文字通り頭湧いてます( *´艸`)
どんな設定でもやっぱり夕鈴は陛下に翻弄されちゃうんでしょうね♡

2016/11/16 (Wed) 22:55 | REPLY |   

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