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ななつむぎ

こんにちは。好きな漫画主に狼陛下の花嫁、帝の至宝、コレットは死ぬことにしたの感想や妄想を気ままに綴っております。

【ハデコレ】柘榴の実

Categoryコレットは死ぬことにした

こんばんはー(*‘∀‘)

ぐつぐつぐつ……
今夜の夕食はカレーを作っております、ななです。
かたや最近妄想が煮えきらない日々…。フム(´・ω・`)

今年に入ってからブログ更新も亀並。
狼陛下のお話の続きも書きたいのに、なかなか気持ちが集中せず。((+_+))
多分仕事の方に気持ちがいっぱいいっぱいで、余裕がないからでしょうねぇ。
早く人員増やせよ、上司~っ( `ー´)ノ

もう春はそこまで来ていることですし、(今日は突風が吹いて寒かったけど)
ちょっと新しい気分で、妄想脳を活性化したいと思います。

と言う訳で……
とうとう初挑戦しちゃいますた、ハデコレ二次~っ!(*ノωノ)
(←前置き長いよ)

私はどうも黒髪イケメンヒーロー→主人公という構図が滅法好みらしく、
狼陛下→夕鈴
ハデス様→コレット
この図式、入れ食い状態で萌えレーダーが発動するのであります。キリッ( `ー´)ノ


拙い駄文ではありますが(^^ゞ
6巻の番外編のハデス様の心情+神話と妄想を絡めて、短めのSSです。
もし宜しければ、お暇つぶしにでも~





**************************************








天界はおろか地上の光さえ届かぬ常闇の国、冥府――人間の魂の始まりと終わりを司る場所。


かつて古の時代、ゼウス、ポセイドン、ハデスの三神が世界を三分し各々の割り当てをくじ引きで決めた。
暗く陰気な死者の国を嫌ったゼウスの小細工により『ハズレくじ』を掴まされた格好のハデスだったが、元来寡黙にして真面目な性格の彼は文句も言わず『冥王』という役目を受け入れ、誇りを持って統治した。


――が、来る日も来る日も人間界では死者が後を絶たない。

仕事熱心で頑固な所のあるハデス。
冥府の仕事に没頭するにつれ、次第に天界の神々の集いからも遠のき、かつて好んだ地上の人間の街に紛れて散策することも減り、やがて冥府に引き篭もりっぱなしでストイックなまでの仕事漬けの日々を送るようになっていた。



元々不老不死の神と言えど、只死なないというだけで痛みも感じれば発熱や体調不良だって起こす。
どうせ死なぬ身――とタカを括り過労に過労を重ね、己の体調もろくすっぽ省みない生活を送った結果、ハデスはある日とうとう病に陥ってしまった。
この『病』については、陽の光に当たらず冥府に引き篭もり続けたという要因と、家来である冥府の河の渡し守・カロンに授けた加護で力を浪費したWパンチのせいもあろうが、心配性の家来達に打ち明ける事も出来ず、ただじっと閨で苦痛が通り過ぎるまで耐えていた。


そんな時――コレットと出会ったのだ。


偶然冥府に落ちてきた人間の薬師。
若い娘ながらタフで勇ましく気丈な性格のコレットは、家来のガイコツにも怯まず、強引に私の閨にずかずか入り込み――病を診てくれた。
初めはその無礼な言動振る舞いに怒りもしたが、病を癒してくれると同時に、彼女の明るい笑顔は仕事に埋没していた私の心をも癒してくれた。

陽の光さえ届かぬ冥府に彼女が往診に訪れると、そこに明るい光を感じた。
自分が忘れかけていた、地上の生命の輝き。力強い人間の命の象徴そのもの。
冥王としての矜持を保つ為自分が捨ててきたもの、そのひとつひとつをコレットが拾い上げてくれたからこそ、今の私がある。
ハデスはそっと目を伏せる。

コレット――お前と出会わなかった未来など想像も出来ない。









「やっぽ――兄上、コレット、遊びに来たよ――♪」

暗い冥府に不似合いな呑気な声がし顔を向けると、弟のゼウスが現れた。

言わずと知れたオリュンポス最高神にして、ハデスの末弟。
いつも様々な動物に変身するゼウスだが、今日は本来の姿でやってきたようだ。
すると私の側に座っていたコレットが笑顔で迎え入れる。

「あらゼウス様、お久しぶりです」

ちょうど往診に来たばかりの彼女は、薬師の証であるいつもの青い服に大きな薬箱を背から下ろした所だった。
ゼウスがやってきたと知るや、コレットは自然と腰を浮かしハデスとの間に空間をとる。その二人の間合いに出来た空間に、当然の如くゼウスが無遠慮に入り込んできた。

「兄上、久しぶり―元気だった?」
「……ああ」

屈託ない弟の笑顔。
この末っ子は昔から無邪気で、兄妹の中でも特に自分に懐いていたのでそれなりに可愛い存在ではあるが――最近ハデスは小さな不満を抱いていた。
(別に遊びにくるのは構わんが、何故このタイミングなのだ)


「コレットも元気そうだね。うん、今日もおさげが可愛いね」
「どうも。――でもナチュラルにセクハラしないでくださいね」
彼女の柔らかな金髪三つ編みを手で持ち上げ口付けしてくるゼウスにももう慣れっこなのか、コレットは平常心で応対する。
しかしそれしきでへこたれるゼウスではない。

「人の姿だと照れちゃう?じゃあこっちの姿ならいいかな」

そう言うなり、いきなりポンッとお得意の変身をして見せると、あっという間に白い毛並みのネコ姿に切り替わった。
するとコレットは途端に警戒心も失せ、眉尻を下げる。図々しくも膝上に乗り擦り寄ってきたネコゼウスを両手で抱き上げ、
「ふおぉ~っ、モフモフのにゃんこー♡癒される~」
「ふふっ、ほら肉球――(ぷにっ)」
「ほわわわ~~♡」
「……」

すっかりネコにメロメロのコレットに、呆れ果てた顔でハデスは口をへの字に曲げる。
(まったく、またしてもコレか)


勿論ハデスとてペットにケルベロスという犬を飼っているのだから、動物を可愛がる気持ちは理解できる。
別にコレットがケルやベロを抱いているのは構わないが、しかしそのネコの擬態をしている中身はゼウスだ。
兄の自分が言うのもなんだが、ヘラという正妻のある身でありながら女癖が悪く、あちこちに愛人を作っている年中発情期の節操無し男だ。女の懐に潜り込むくらいお手の物だろう。今も無邪気なネコを装いまんまとコレットの腕に収まり、胸に頭を乗せぬくぬくと甘えている素振りが実に怪しからん。
仲良くじゃれ合う二人の様子に、内心イラッとしてしまう。

「……」

そもそも、何故いつもコレットが冥府に来た時、タイミングを見計らったかのように邪魔しにくるのだ。
互いに仕事に忙しい身で、会ってゆっくり話をする時間は貴重だというのに。
コレットもコレットだ。中身がゼウスと知りながら、幾らネコの姿といえど不用意に触らせ過ぎだ。些か警戒心が足りないのではないか?
「……」
顔をぷにぷにと肉球で触られ恍惚となっているコレットに、ハデスはジトーと不満げな視線を送る。


そして――調子に乗ったゼウスがいきなり人の姿に戻り、あろうことか彼女に口付けしようとした瞬間――

我慢の限界に達したハデスがゼウスの首根っこをひっ捕まえた。
「…何をしている」
「あ…つい」
「ほう」
この期に及んでネコの仕草で許しを請うゼウスをそのまま冷徹に見下ろし、
「帰れ」
「――っっ?!」
ハデスは容赦なく外に放りだしてやった。



――まああのゼウスの事、どうせ懲りずにまたやってくるだろうが。









「え――と、ゼウス様も帰っちゃったことだし、それじゃ私もそろそろ帰りますかね」
「今来たばかりではないか」
「はい、でもハデス様の調子良さそうだし、お顔見たら安心しました。帰って薬のストック作らないといけないし」
「…そうか」


――時々思う。
私達の関係とは一体何なのだろう、と。
コレットは私が過労で体調不良を起こせば心配し駆けつけて、あれこれ親身に世話を焼いてくれる。
けど――それは、コレットにとって私が休めと言っても言う事を聞かない『少々世話の焼ける患者』に過ぎないからではないか?
『患者が居なければ、冥府に往診にくる理由もない』
前にコレットが口にした言葉が脳裏に過る。
私が『患者』でなくなればコレットが来なくなる――そう思うだけで胸が締め付けられた。


己の複雑な感情を押し殺し、ハデスはポツリと呟く。
「では――地上に送ろう」
「ありがとうございます。……あら、ケル、ベロ、スーも」
いつのまにか冥府の番犬三匹が足元にわらわらと寄って来ていた。
「ああ、散歩の時間だったな」
「あら、それじゃあ折角だから散歩がてらその辺歩いて行きません?」







薄闇がどこまでも広がる冥府の世界。
柱のように突起した岩肌の合間を縫って、二人はケルベロスを連れ、宮殿まわりを散歩に出た。


しゃべっているのは専らコレットばかりで、ハデスは偶に質問をするくらいで殆ど聞き役。
死者をすべからく裁く冥王としての仕事を滅多に休めず、人間の街に出掛けることも減った彼にとって、地上で起きた彼女の日々の他愛ない出来事を聞くのは楽しい。
「―――」
元気で明るく、暖かいコレットの声を聞くのは心地が良い。
側に居るだけで、冷えた心が温まる。
だが――今はこんなに側にいるのに、地上に行ってしまえば忽ちコレット中から私はいなくなる…。
(もしこのまま――ずっと側に居てくれたら――)
不意にハデスの中に「コレットをずっと冥府に留まらせる術はないものか」と言う独占欲が胸に擡げた。
しかし彼の理性がすぐさまそれを打ち消す。
(…そんなこと、できる筈がない)
己の浅慮に自嘲を浮かべかけ――ふと、ある事を思い出した。
「―――」
いや――一つだけ、術がある。コレットを冥府に留まらせる方法が。


『生者が冥府の食べ物を口にすれば、その者は冥府に属したとみなされ地上には帰れない』


神々の定めしその掟のことは、勿論承知していた。
なればこそ、これまでコレットが冥府や天界の食べ物を口にせぬ様気を付けて――
(だがその掟を利用すれば、コレットはずっと私の側に)
例えうっかり、誤って口にしたとしても、神の掟は絶対だ。
ハデスは無邪気にケルベロスの頭を撫でているコレットを見下ろし、
「コレット、この先に珍しいものがある。少し寄り道しないか?」
「珍しいもの?何ですか、それ?!」
好奇心の塊であるコレットは何の疑いもなく、私の誘いに食いついて来る。



少し歩くと冥府に流れる幾つかの河のひとつ、アケロン河の上流の畔に一本の立派な果樹がそびえ立つのが見えた。
地上の裂け目から採光し、そこだけ白い光を浴び神々しく佇んでいる。
よく見ると樹木には、艶やかな卵型の紅い果実が鈴なりにぶら下がっているのが見えた。

「わあ、冥府に果樹が!なんだか甘酸っぱい良い香りがします!」
「冥府に唯一咲く柘榴の樹だ。百年に一度だけ実を結ぶ」

柘榴の果実は熟すと果皮が自然と割れ、中には赤く透明な外種皮に包まれた種子の粒がたくさん詰まっている。
健康と美容に効果があると言われ、普段冥府に無関心なゼウスの奥方ヘラもこの柘榴だけは好物で、百年に一度の収穫期には必ず通販予約を入れてくるほど。それにあやかって他の女神たちもこぞって求めて来る、人気商品なのだ。
そう説明してやるとコレットは感心したように頷き、
「へえ、健康と美容…。百年に一度ってことはもの凄い稀少価値の高い果実なんですねぇ」
薬師の性か、その薬効に興味津々の様子。
「ふむ、もう少しすれば実が熟す頃合いか」
「どんな味なんでしょうね?」
「――食してみるか?」
ハデスがポツリと口にしてみる。
しかしコレットは恐縮したように首を左右に振る。
「とんでもない、女神様方の為の貴重な果実なのでしょ?そりゃどんな味なのか興味はありますけど…人間の私が口にするなんて罰が当たりますよっ」
そう言って固辞するコレットを見遣り、ハデスはどこかホッとしたような遣る瀬無い表情を浮かべ、

「――そうか、…そうだな」

(こんな形でコレットを冥府に縛り付けようなどと、馬鹿げている)
人間の魂を裁く冥王ともあろうものが、己の私利私欲に駆られ、とんだ罪を犯すところであった。
このような邪念を抱くなど――やはり『恋』とは神をも腑抜けにさせる、とハデスは自嘲の笑みを漏らす。


「まあよい。今はまだ――少しばかり期が早過ぎたようだ。まだ収穫の時ではない」
「そうですね、完熟した食べごろの時、ほんの何粒かおすそ分けしてくれれば充分です」

ちゃっかり催促を付け加えるコレットに、呆れ顔で返す。

「やはり食べたいのだな」
「だって健康と美容でしょ?どんな味なのか薬師として興味ありますよー」
「(クスッ…)まったくお前という奴は。人の気も知らないで」
「?何です?」
「なんでもない」
キョトンとするコレットに、ハデスは口元を布で覆いこっそり笑みを浮かべる。


今はまだ時期尚早――

でもいつか、この想いが心の内に秘めておけぬほど熟し弾けてしまったら、
私は己の心のまま、お前に柘榴の実を与えてしまうかも知れないな。




(おわり)


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6 Comments

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2017/03/18 (Sat) 15:05 | REPLY |   

なな  

Re: タイトルなし

みく様:

こんにちは~コメありがとうございます。(*´▽`*)
拙いオフ本でしたが楽しんで頂けて嬉しいデス。
「柘榴に実」の話は確かに夕鈴&陛下に当てはめてもイケますね。両想いになる前の二人と通じる所あります。そこが私の萌えツボレーダーに反応したのでしょうね♡(#^^#)
唯一違うのが、陛下=我慢できない ハデス様=我慢強い って所でしょうか?(笑)
漫画で萌えと癒しを補給しつつ、仕事がんばりまあす!
季節の変わり目、みく様もどうぞご自愛くださいませ~。

2017/03/19 (Sun) 10:53 | REPLY |   

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2017/03/20 (Mon) 10:13 | REPLY |   

なな  

Re: No title

ヒロウサ様:

こんにちはー!
いやー毎日仕事で気力を奪われておりますよお~💦ヒロウサ様もお疲れ様です(;'∀')

最近手を出してしまったコレットさんですが、ホント仕事で疲れてる時こそ読むと癒されるんですよね、この漫画。
主人公たちも、ガイコツたちもカワウソも…(笑)うん、みんなお仕事頑張ってる。(*‘ω‘ *)私も頑張ろう。←
陛下とハデス様は色々似てるとこありますよね。だから萌えたのかな~(*´з`)

亀更新ですが、のんびり頑張ります!ありがとうございます♪


2017/03/21 (Tue) 17:48 | REPLY |   

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2017/09/11 (Mon) 17:31 | REPLY |   

なな  

Re: 楽しませて頂きました

copa様:

コメントありがとうございます。(#^^#)
私も電子書籍でハマって、我慢できず花ゆめ本誌にまで手を出してしまってます(笑)
そして萌えが昂ぶると二次創作してしまう性質で(*ノωノ)でもでも「柘榴の実」楽しんでいただけて嬉しいデス!

今現在こちらのブログが開店休業状態ですが、Twitterやpixivの方でたまにイラストとかあげてます~。
他にも素敵なイラスト描かれる方がいらっしゃいますので、ぜひ覗いて見て下さい♪

2017/09/12 (Tue) 21:40 | REPLY |   

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